ロケ受け入れのため下見に対応する遠藤主査(右)=東伊豆町稲取

 ■経済効果は470万円 職員配置、補助金交付し誘致

 稲取漁港や細野高原などの東伊豆町内でロケをした“全国区”級の映像が増加している。テレビドラマやバラエティー番組をはじめ携帯電話会社のCMシリーズ、自動車メーカーのCM、大手配給会社の映画、著名アイドルグループのミュージックビデオなど。町は担当職員を配置、ロケ隊に補助金(対象経費の2分の1、上限10万円)を交付し積極的に受け入れている。

 ロケの受け入れ窓口は町観光商工課。2016年度は51件で前年度の27件から倍増した。担当の遠藤尚男主査によると、スタッフによる口コミでの評判が増加要因という。

 「同じ制作会社の別のスタッフからの問い合わせが多い。ロケ地を決めるには、何カ所かの候補地を下見して集めた資料を整えて検討される。このときに現地の対応が良かったことが影響し、評価されているようだ」

 評価対象は町職員に限らない。ロケは、スタッフの食事などの時間が不規則で、天候に左右されるなどして日程も変わりやすい。宿泊要望は素泊まりが多くなってしまう。

 「宿の確保に苦労することもあるが、ある施設では夕食時間をずらして夜8時から打ち上げの宴会をしてもらった。スタッフは大喜びで、『今度は友達や家族を連れて来る』と言ってくれた」

 町内の業者に手配する弁当も評判が良い。「地キンメダイの煮物弁当をはじめ、地場産品を取り入れ、食材選びに頑張っている」

 宿泊と弁当を合わせた経済効果は470万円に上った。

 「弁当店と宿泊施設には苦労や迷惑を掛けている。感謝している」と遠藤主査は話すが、自身もハードワークをこなす。「ある1週間は、朝4時からの映画ロケや撮影の下見が3本あり、すっかり早起きになってしまった」と笑う。基本的に担当は1人だが、役場内で応援態勢も整っており、可能な限りあらゆる要望に応える。「ロケーションの良さに加え受け入れ態勢を整えて、町のPRにつなげていきたい」

 太田長八町長は「ロケ支援は町の活性化につながり、町づくりにマスコミの影響力は大きい。誘致推進に力を注ぐ」と積極的だ。

 課題もある。社名や商品名、俳優・タレント名の公表を許可されない場合だ。どういう映像か分からなければ、PR材料になり得ない。公表することで地域には親しみが生まれ、映像の良いイメージが広がっていくなど、制作・発注側にもメリットがある―と訴えていくことが求められる。

(下田支社・日吉典夫記者)

 【写説】ロケ受け入れのため下見に対応する遠藤主査(右)=東伊豆町稲取

 【図表】2016年度主なロケ受け入れ