■伊豆景観協の重点項目 補助なく再整備費自己負担

 良好な景観形成を目指して県や市町で構成する「伊豆半島景観協議会」は、今年3月に「伊豆半島景観形成行動計画」をまとめた。日本ジオパークに認定された美しい景観を持ち、2020年東京五輪・パラリンピックの自転車競技開催などで多くの観光客が訪れることが予想されることから策定した。重点項目の一つに屋外広告物対策があり、11月から規制を強化する予定。設置者は対応を迫られている。

 「伊豆半島は世界から注目を集める大切な時期。今年を屋外広告物元年としたい」。4月に開かれた屋外広告物適正化に向けた会議の席上、県景観まちづくり監の伊藤昌弘さんは呼び掛けた。同会議では県から、幹線道路や海岸沿いを中心とした屋外広告物の規制強化案が示された。

 県屋外広告物条例は規制区分を設けており、(1)普通規制地域(2)特別規制地域(3)広告整備地区―の順に厳しくなる。(1)は設置に許可が必要な地域。(2)は原則設置してはならず、案内図板や自家広告物(自分の敷地内に設置する看板)のみ許可を受けて設置できる地域。(3)では案内図板や自家広告物の許可基準をさらに厳しく定めている。

 伊豆半島の幹線道路や海岸沿いは普通規制地域と特別規制地域が混在しているのが現状。案では普通規制地域を特別規制地域に格上げ(一部地域を除く)。併せて、東京五輪で多くの利用者が見込まれる伊豆縦貫自動車道関連地区と、景観が優れている伊豆西南海岸地区を広告整備地区に指定するとした。伊豆半島には違反屋外広告物が約2万5千個あるとされ、是正指導も強めたい考えだ。

   課 題

 一方、規制強化に伴い、現在許可を受けて設置している看板も、新たな基準に合わせて整備し直さなければならなくなる。そういった場合でも補助金などはなく、設置者の自己負担になるという。

 伊豆の国市は本年度、市独自の屋外広告物条例を施行した。大きな変更点として、国道136号バイパス(伊豆中央道含む)沿いを新たに広告整備地区に分類したことが挙げられる。表示内容や色彩について、以前より厳しい規制を設けた。3年間は経過措置期間となっている。

 市は昨年7月に市内業者、9月に屋外広告業者に条例制定についての説明会を開いた。席上、「(広告の改修などに伴う)補助金などは出ないのか」といった声も少なからずあったという。

 市都市計画課は「制度自体が知られていない。知ってもらって理解をいただくしかない」と対応の難しさをにじませる。同協議会も良好な景観形成のため、屋外広告についてのPRを開始した。県景観まちづくり課は「広告が存在悪というわけではなく、優良な広告については周知し、伊豆半島全体の取り組みであるという総論形成をしていきたい」としており、理解を得たい考えだ。

(伊豆日日新聞 勝間田翔記者)