和解当事者に4つのメリット

 和解は両当事者が互いに譲歩して一定の合意に至るものですが、当事者が譲歩してまで和解する理由、すなわち、和解のメリットとしては次のようなことが考えられます。

 1.履行の可能性の向上 2.柔軟な解決方法の選択可能性 3.敗訴リスクの回避4.迅速な解決です。以下、解説します。

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 1.原告勝訴の判決が確定しても、被告が従わない場合、原告が判決の内容を実現するには、強制執行の手続きをとる必要があります。和解であれば、被告の任意の履行が期待でき、履行の可能性が上がります。

 2.和解は判決と違い、柔軟な解決が図れます。例えば金銭の支払いを一定期間猶予し、また分割払いにすることも可能です。あるいは、不動産の所有権をめぐる紛争で、被告が原告の所有権を認める代わりに、被告は原告から一定額のお金を受け取るなど、柔軟な解決方法が選択できます。

 3.判決は裁判官という第三者による判断ですので、有利な証拠がそろっていると思われても、敗訴のリスクがゼロではありません。全部敗訴でなくとも、一部敗訴の可能性もあります(例えば判決で、原告の請求額の50%のみ認められたなど)。そこで原告が一定の譲歩をし、例えば請求額の75%で和解することにより、判決に至った際の敗訴リスクを回避できます。被告も、請求額の75%で和解することで、全部認容(100%支払えとの判決)のリスクを回避できることになります。

 4.判決が出ても不服がある当事者が上訴すると、上級審での審理が続きます。和解で終了すれば、上訴はなくなり、その分、解決が早くなります。

(小田原市・伊奈綜合法律事務所、伊豆の国市出身)