「三コ」を手にする赤堀さん

 秋田の平野で生まれ、体も魂も大きく育った「三コ(さんこ)」(斉藤隆介作、滝平二郎画、福音館書店)はいつも働く貧しい村人の味方です。仕事のない次男坊たちの暮らしを何とかしてあげたい三コは、山に木を植え、木こりの仕事を作ってあげます。ところがある日、山火事が起きてしまいます。火はどんどん燃え広がりこのままでは秋田一面が火の海になってしまう−と誰もが思ったその時、三コは皆を励ましニコッと笑うと、その大きな体が燃え盛る山にかぶさったのです。

 「花さき山」で自分のことより人のことを思う優しさが花となって咲き出すように、三コの投げ出した命もまた山を生み出します。心優しい三コの最期の笑顔がいつまでも心に残るお薦めの一冊です。

 伊東市立八幡野小読み聞かせボランティア 赤堀範子

 【写説】「三コ」を手にする赤堀さん