われわれパン業界では、各種いろいろなコンテストが毎年開催されています。例えばドイツパン業界で主催されるIBAカップ、フランスパン業界で開催されるクープディモンドなどがあります。

 材料を使用したコンテストもあり、その中で一番応募数が多いのがカリフォルニアレーズン新製品開発コンテストです。大手企業や全国チェーンのテナントを持つ開発部門、そして弊社のような小さな個人店など、幅広い方々が応募します。

 今から17年前、弊社の小売店舗ベケライダンケがオープンして3年目、刺激を求めるため、日頃研究しているドイツパンをベースに応募しました。その頃は一番の激戦で700通位の応募がありましたが、どさくさに紛れて、1次審査を通過。東京で行われた2次の本選には20人が出場。各社有名どころの開発トップばかりで、小生のような個人店、しかも経営者はいませんでした。

 戦いも終わって表彰式となりました。次々と受賞者が呼ばれ、盾が残り3個になり「やはり自分もこんなもんだな」と思っていたら、後に大変お世話になったレーズン協会副代表の佐竹正さんの司会発表で、3位の審査員特別賞を受賞することができました。

 副賞のカリフォルニアの研修旅行では、FBI料理大学で受賞作品のパンを作り、レーズン畑や工場を見学。現地レーズンの関係者と交流会も行い、素晴らしい経験をさせていただきました。日本に戻り、佐竹さんの推薦で日本の料理業界の著名人が集まるパーティーで研修旅行の発表もしました。

 何分、単純な小生は受賞して、周囲の方から褒められ、おだてられ、2001年に最高峰のレーズン協会主催の「鉄人大賞部門」に応募しました。今まで同協会のコンテストで入賞していることが応募の条件で、これまた1次審査を通過。ここまで来れば人間欲が出るもの。受賞を念じていたら見事、鉄人大賞を獲得することとなりました。

 生まれて50年、父に褒められたことはゼロ。父に一言、褒めてくれたら偉い人になれたのに―。でも無理か、要素が無いから。

 (伊豆の国市、パン祖のパン祭実行委員長)