■黒・佐々木栄六段(伊東市) □白・小嶋一彰七段(伊東市) 自戦記/小嶋一彰

 大きな数の話ですが、新聞紙の厚さを0・1ミリメートルとして、それを1回織ると0・2ミリメートルになります。2回折ると0・4ミリメートル、3回折ると0・8ミリメートルになります。10回折るごとに、厚さが1024倍になっていきます。もし、37回折ると、新聞紙の厚さは地球の直径を超え、51回折ると、地球と太陽の間の距離を超えます。さらに、101回折ると138億光年(宇宙の年齢に光速をかけた距離)を超えると言います。折った回数をnとすれば、厚さは0・1×2のn乗ミリメートル。

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 ところで、囲碁の着手の数。1手目は361カ所、2手目はそのそれぞれに対して、360カ所打てる場所があります。だから、ざっと1から361までの全ての整数の積と考えることができます。この361×360×…×2×1を361の階乗といいます。この数は769ケタの数になるといいます。

 この数は、新聞紙を101回折ったときの枚数、2の101乗より、とてつもなく大きい。また、宇宙にある原子の数は80ケタの数といいますから、それに比べてもずっと大きい。最善手が計算できないゆえんです。将来、量子コンピューターなどが進歩しても、容易に計算できないのではないでしょうか。

 さて、局面ですが、白14と中央の2子が取れては、白優勢。白16のヌキで、17とノビれば、勝負ありでした。

 白40では、49に守っておくのが確実でした。黒に47と出られ、薄くなりました。さらに、白の見損じがあり、黒59と打たれて、右辺の白石がピンチ。白60では、71の一路上にハネるしかなかった。結局、白石をコウにされてしまい、4子を取られました。それまで、リードしていたこともあり、全滅しなかったので、まだ、勝負を続ける気になりました。

 この碁は、自分のミスがとても多かったのですが、最後は、上辺の黒が手になり、白の中押し勝ちになりました。

 よく、健康を維持していくためには、適度な運動や塩分や脂肪の少ない食事、そして、趣味をもつことが大切だといいます。囲碁は、誰でも手軽に始められる、ずっと続けられる趣味です。私は、普段、インターネットで対局しています。日本棋院の「幽玄の間」です。無料会員ですが、月に15局対局でき、点数制で段位も変動します。無料会員には、対局数など制約がありますが、十分楽しめます。機会があったら、対局してください。

 【図版】第3譜(106~208)208手完 白中押し勝ち