毎朝、新聞を配り続ける土屋さん

 ■マイペースで仕事できる働きやすい環境

 「新聞で 見分けるフェイク 知るファクト」を代表標語に15日、第70回新聞週間が始まる。21日まで。新聞は、取材で裏付けられた事実に基づいて、さまざまな出来事や情報を発信している。その新聞を各家庭に確実に届けているのが新聞販売店。伊豆各地の販売店で、男性に混じって活躍する女性スタッフを紹介する。

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 ■お客さんは家族のようなもの

 ▽幹洋堂・土屋新聞店〔下田市〕

 ▽下田市北湯ケ野・土屋栄子さん(67)

 「家族に迷惑をかけたくない」と、34歳の時に家族が寝ている間に働ける仕事を選んだ。以来33年間、毎朝午前1時55分に起床し、朝刊を配る。

 下田市郊外の箕作、加増野、須原地区を担当する。「長く取ってくれているお客さんは家族のようなもの。寒い日には熱いお茶を入れてくれたり、配達が遅れると心配してくれたり…」

 朝早く、暴風雨の日もあるが、弱音ははかない。「朝のきれいな空気を吸い、四季の移ろいを肌で感じている。健康でいられるのも、この仕事のおかげ」と常に前向きだ。

 当初、長男は3歳、長女は1歳だった。2人とも大学まで出し、立派に育て上げた。「家族的で働きやすい職場なので、これまで続けられた。体が動く限り続けたい」

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 ■友達とお茶、ご飯 昼間の時間を自由に

 ▽大沼新聞店〔伊東市〕

 ▽伊東市馬場町・鈴木麻世さん(65)

 勤続33年。初めは朝刊配達だけのアルバイトだった。20年ほど前から専業となり、朝夕刊の配達と集金を行うように。今は主に、朝刊を地区別に分ける「紙割り」や集金、夕刊配達の手伝いを担当している。「長く続いたのは、割とこの仕事が合っていたからだと思う。自分のペースで働けるところがいい」

 昼間の時間を自由に使えるところもうれしいことの一つだという。「友達とお茶したりご飯を食べたり。普通の仕事では、なかなかこうはいかない。睡眠時間は短いけれど、もう慣れた」

 年に1回、2泊3日程度の旅行に出掛ける。「今年は病気をして行けなかったけれど、来年の旅行を今から楽しみにしている。元気なうちは、ずっと働き続けたい」

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 ■期待のルーキー 仕事に慣れ、配達時間短縮

 ▽中野新聞舗〔熱海市〕

 ▽熱海市西熱海町・青木由希乃さん(21)

 7月から勤務している期待のルーキー。若い女性の配達員は熱海市内では珍しく、他の販売店でも話題になっている。

 バイクに乗ることが好きで、仕事内容にも興味があり、配達員になった。「自分のペースで仕事ができるのが良い」という。次第に仕事に慣れ、配達にかかる時間が短くなった。「(会社の仲間、先輩から)『早くなったね』と、褒められるとうれしい」

 「新聞は難しい」と、読むことは敬遠していたが、配達の準備をしているときに、気になる見出しや写真を見つけると目を通すようになった。「自分が新聞を読むようになるとは思ってもいなかった」と笑う。

 現在の夢は大学進学。実現のため、コンビニや旅館でも働く努力家だ。

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 ■「ありがとう」の声にやりがいを感じる

 ▽トガワ新聞店〔伊豆市、伊豆の国市〕

 ▽伊豆の国市神島・外川 鮎さん(37)

 小学生のころから、家業の新聞配達を手伝うことがあった。本格的に働き始めたのは20歳から。毎朝5時に田京店の配達を始め、午前10時ごろからは修善寺店で折り込み作業を1、2時間行い、休憩を挟み午後3時半から夕刊を配る。

 「配達は天候の影響をまともに受ける。暑かったり、寒かったり、風が強かったりする日は大変」と苦労を語る。雨の日もレインコートを着て自転車に乗る。一方、やりがいを感じるのも配達の時。「『ありがとう』『お疲れさま』と声を掛けられることが多い。普通に仕事として配っているのに、感謝されるのはありがたい」

 「テレビと違い、好きな時に読め、取っておくこともできる」と新聞の魅力を語る。

 【写説】毎朝、新聞を配り続ける土屋さん

 【写説】勤続33年のベテラン鈴木さん

 【写説】夢実現のため頑張る青木さん

 【写説】夕刊を配る外川さん=伊豆の国市