全国屈指の産地として知られる仁科地区のテングサ漁。天日干しは季節の風物詩にもなっている(西伊豆町提供)

 今回は、観光地伊豆の食事に関して書きたいと思います。私の経験から言えば、伊豆に来てくれる観光客は、地元で採れた新鮮な海産物や農産物を食べたいと思って来る方々がほとんどです。

 伊豆で採れた魚介類は、沼津魚市場や他地区の魚市場に行き、特別良い物は築地魚市場に送られ、地元で利用されている食材は極端に少ない現状です。大勢泊まれる宿泊施設やレストランなどでは、大量に同じサイズの物が必要なので、冷凍品や養殖物をやむをえず使っている様ですが、地元の旬の食材を最低3、4品提供して特徴を出さなければ、リピーターもなくなり、全国の観光地と同じになり、競争力もなくなります。

 私の知人の旅館経営者は、朝、地元の魚市場や定置網の現場に行き、その場で鮮度の良い水産物を仕入れ、朝夕食に出し、お客さまに大変喜ばれています。このように、直接地元の漁業者から食材を仕入れたら、中間マージンも省け漁業者は輸送費がかからず、地産地消が出来ると思います。和食に関しては、特に料理人のしきたりもあり、独自の料理を創作することが容易ではないと思いますが、経営者が積極的に関与してそこの施設でしか出せない特別な料理を創ることが必要です。

 伊豆の特産品で、健康志向の方々や外国の料理人たちが今注目している、天草で作るトコロテン料理や、最近話題になっている猪や鹿などを使ったジビエ料理も、伊豆に野獣肉の処理場が出来、利用しやすくなりました。提供する食材に加えてみてはいかがでしょう。

(伊豆経営研究所 高木和宏)

 【写説】全国屈指の産地として知られる仁科地区のテングサ漁。天日干しは季節の風物詩にもなっている(西伊豆町提供)