ハクセンシオマネキ

 砂泥地を好み、15~20センチの穴を掘って生息するハクセンシオマネキ。巣穴から出ると、ハサミを体の横から上に振り上げ、脚で踏ん張って立ち上がる。次に体を下ろし、ハサミを前に振り下ろす。こんな動作を繰り返し、自然に体のバランスをとる絶妙さが面白い。「潮を招く」と言うオスのハサミ振りは、メスに対する求愛のしるしといわれているが、実際にメスがいなくても見られる。

 夏の生殖期になると、自分の縄張りに近づいてきたメスに、オスはもうこれ以上無理という程激しくハサミを振り、メスを誘う。メスが少しでも反応すると、後ずさりして、自分の巣穴の方に誘導し、穴の5センチ位のところまで近づくと、オスはサッと巣穴に入ってしまう。続いてメスが入れば成功。カップルの合意ができると、オスは器用に砂を丸めてふたをし、翌日まで出て来ない。交尾が終わると、メスは巣穴の中に住みついて産卵し、卵がふ化するまで見守る。そうしてオスはメスに自分が作った大切な巣穴を譲る。オスの生きざまは、みんな大変なのです。

 【写説】ハクセンシオマネキ