絵本「しばてん」を手にする田中さん

 田島征三の「しばてん」(偕成社)を数ある名作から選びました。あまりの剛力のため、化け物「しばてん」の生まれ変わりと村人は恐れ、ついには一揆の罪をかぶせ、役人に突き出してしまいます。

 土佐に伝わる昔話を基に、生きるための人間の性(さが)を再話して大迫力の絵筆が躍ります。そして最後に胸に迫る感動の場面が待ち受けます。現在、偕成社から出ていますが、美大生時代に印刷機に飛び乗って手作りしたのが最初の本です。

 田島征三は、同時期、全国観光ポスター展で特賞金賞を受賞しています。ほとばしる才能が生んだ『しばてん』です。ちなみに文章では、『絵の中のぼくの村』がベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞しています。

 伊豆高原絵本の家 田中清作

 【写説】絵本「しばてん」を手にする田中さん