特商法で販売業者に対する損害賠償額や違約金の額が制限されている

 販売業者が顧客との間で、損害賠償額の予定や違約金の定めをすることがあります。例えば、「お客さまのご都合で契約を解除された場合、違約金10万円をいただきます」などと定められていることがあります。

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 そうすると、契約を解除しても、損害賠償や違約金として高額な支払いが必要となり、購入者による解除が無意味になることもあります。そこで、訪問販売、電話勧誘販売、訪問購入では、特商法により、販売業者に対する損害賠償額や違約金の額が制限されています。

 例えば訪問販売で、次の(1)~(3)の金額に一定額を加えた金額を超える違約金や損害賠償の請求は認められないとされています。

 (1)商品等が返還された場合、その商品の通常の使用料の額、または商品の販売価格から返還時の評価額を引いた額(2)商品等が返還されない場合、当該商品の販売額に相当する金額(3)役務(サービス)提供開始後に解除した場合、提供された役務の代金相当額((1)~(3)以外にもありますが省略します)。

 また訪問購入では、物品の引渡拒絶権が認められています。購入業者が売主から物品の引き渡たしを受けてすぐに転売してしまうと、契約を解除しても、売り主に物品が返って来ないことになってしまいます。そのため訪問購入の売り主はクーリングオフ期間中、物品を引き渡さないことができます。

 特商法関係は今回で終了です。次回からは、後見制度について見ていきます。

(小田原市・伊奈綜合法律事務所、伊豆の国市出身)

 【写説】特商法で販売業者に対する損害賠償額や違約金の額が制限されている