夜7時、稽古場の扉を開けると、劇団員の満面の笑みと元気よいあいさつに迎えられる。これが、13年前の創設以来ずっと続いている伝統。ある親が言った。

 「うちの子は、稽古がある日は朝からテンションが高くて」

 どの子にとっても最高に楽しい空間。それが稽古場。しかし、時にその扉を開けたくないときもある。自分の思う表現ができないときだ。舞台に立つという重圧に押しつぶされそうに誰もがなる。

 劇団DANは、小学生から70代まで総勢約40人で構成されているが、誰かが悩んだときは、必ず「大丈夫だよ」と誰かが駆け寄り抱きしめてくれる。それも伝統の一つ。

 今、毎週のように入団希望の見学者がやってくる。私は同じ言葉を伝える。

 「家庭に学校や職場、そこにもう一つの居場所の劇団がある。こんなぜいたくな生き方はないです」

 この秋、伊豆市での「狩野川台風」公演が決まった。稽古場の熱い思いを、伊豆の皆さまに届けたいと思っている。