事業承継という言葉を聞いたことがあるでしょうか。会社などの事業を後継者などに引き継ぐことです。

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 中小企業庁の試算では2025年までに、中小企業・小規模事業の経営者で年齢が70歳(平均引退年齢)を超える人の数は約245万人であり、うち約半数の127万人は後継者が未定とのことです(「事業承継の集中支援について」より)。

 また現状を放置すると、中小企業の廃業の急増により、25年ごろまでの10年間の累計で、約650万人の雇用および約22兆円の国内総生産(GDP)が失われる可能性があり、特に地方では事態が深刻であると、推計・推論しています(同資料より)。

 雇用が失われるだけでなく、事業承継が不調に終わることは、関わる人の生活や事業にも影響を及ぼしかねません。

 例えば、地域に1軒しかないスーパーマーケットが経営者の引退に伴い廃業したために、隣町のスーパーまで車で30分の道のりを買い物に行く必要が生じたとか、特殊な部品を作るノウハウを持つ工場が後継者難で廃業したため、その部品を購入していた取引先は、高価な輸入品で代用せざるを得なくなるようなケースが生じ得ます。

(小田原市・伊奈綜合法律事務所、伊豆の国市出身)

 【写説】企業の廃業急増で雇用だけでなくさまざまな人の生活や事業への影響が考えられる