第4回 八代杯伊豆地区最強戦将棋大会・C級決勝戦(中)

 ■山本楓真(ふうま)小2(静岡市清水区) □大出大地(だいち)中3(熱海市) 観戦記/小池定栄(日本将棋連盟伊豆地区支部連合会会長)

 将棋界(プロ棋士)をよくご存じない方から聞かれることが度々ある。マスコミに取り沙汰される藤井聡太六段がプロ棋界でトップ棋士のように思われていることである。それはとんだ誤解である。

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 今は亡き米長邦雄・永世棋聖と幾度かお会いした際にお聞きした話である。

 プロ棋士になるためには、東大入試より難しいといわれる奨励会試験に合格しなければならない。毎年全国から才能豊かな青少年がプロ棋士の登竜門(奨励会)を目指し試験を受けるも合格者は数名であり、合格したものは毎週、東京・千駄ケ谷の将棋会館へ通うことになり、その時間と費用は膨大である。しかも奨励会員同士の対局に勝局しなければ昇級しない。さらに第2の難問・三段リーグで優勝もしくは準優勝しなければ、プロ棋士にはなれない。年齢制限もあり、ここでプロ棋士の夢も破れ、俗に言われる「奨励会崩れ」がアマチュア将棋界に多勢存在するのである。

 プロ棋士はC2、C1、B2、B1、A級とクラスに所属し、藤井六段、八代弥六段も一番下のC級2組に所属して1年間対局し、1位、2位の成績を収めて初めて昇級できる。名人位挑戦には最短でも5年ほどかかる。昇段するには、8タイトル挑戦者になるか、勝率を上げなければならない。厳しい勝負の世界だ。

 さて盤面に戻ると、両者真剣なまなざしで敵陣の玉をなんとか捕らえようと必死の手順が続くのであるが、実はこの対局は通常の半分程度の短手数で勝敗が決することになるのであった。

 ■は手順通り左辺へと玉を囲い矢倉囲いにするのかと観戦するも、□の早繰り銀に角頭(7六)の地点を狙われ、さらに5五歩とされ圧迫され■の7七桂は銀取りながらも悪手だったと思う。いかんせん8九の桂は守りの柱なのに、手順を戻せば■の玉の囲は銀冠に8六歩8七銀と7八金、理想は6六歩から6七金の形であった気がする。

■5八金右 □6二銀

■8八玉  □5四歩

■7八銀  □5三銀

■9六歩  □6四銀

■1六歩  □6五銀

■6八角(第3図)

      □5五歩

■7七桂  □7六銀

■2六飛  □7七銀成

■同角   □4五歩

■4八銀  □3二金

      (第4図)

 【図版】第3図(■6八角まで)

 【図版】第4図(□3二金まで)