営利を目的する法人に限らずさまざまな事業で承継が必要になる

 事業承継の「事業」とは、どのようなものを指すかについて、明確な定義はありません。もっとも事業承継は、会社等が継続して活動していくために行うものですから、「事業」は会社等の経営権、支配権、資産などの総体を指すものと考えられます。

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 そのため事業承継の「事業」には経営権、モノ(資産)、知的財産の三つが含まれると言えます。

 経営権とは、会社などの経営上の意思決定権、人事権、財産の処分権などを指します。モノ(資産)は、自社の株式、不動産など事業用の資産、資金などを指します。知的資産は、経営者の信用や取引先との人的結び付き、ノウハウや顧客情報などです。

 事業承継の必要性があるのは、会社などの営利を目的する法人や事業主に限られません。例えば、寺院などの宗教法人・宗教団体における宗教活動や診療所、病院での医業も承継の対象になり得ます。

 また、会社であっても、事業承継が必要となるのは、中小企業だけに限られません。大企業でも事業承継は必要となります。なお、上場企業(株式市場に株式を公開している企業)でも、事業承継の必要は生じ得ます。

(小田原市・伊奈綜合法律事務所、伊豆の国市出身)

 【写説】営利を目的する法人に限らずさまざまな事業で承継が必要になる