【事業承継5】経営状態の把握、改善など準備必要

 事業承継の構成要素である「事業」には、以前書いた通り、経営権、モノ(資産)、知的財産の三つが含まれます。これらを全体として承継していくには、当然準備が必要となります。事業承継は、後継者に会社を引き継ぐため、後継者の育成に10年以上の時間がかかる場合もあり得ます。

     ◇……………………◇

 準備の内容としては、大きく分けて、(1)経営状況の把握(2)必要な経営の改善の実施(3)親族による承継、従業員などによる承継の場合、事業承継計画の作成と実施があります。

 (1)の会社の経営状態を把握することの中には、財務状況の把握、事業の将来性の分析、会社と経営者の資産の区分の明確化、知的財産の内容の把握などが含まれます。これらを実施することで、会社の現状を客観的に、可視化(見える化)することができます。そうすることで、承継するべき対象が明確になります。

 (2)前述の(1)の分析を通じて、経営状態に問題がある箇所が分かった場合、これを改善する必要があります。その内容は多岐にわたりますが、例えば、不採算事業から撤退し、収益力のある事業に経営資源を集中することや、従業員のモチベーションを高めるための工夫、組織体制の見直し・再構築、不要な資産の処分などが含まれます。

(小田原市・伊奈綜合法律事務所、伊豆の国市出身)