「地域に開かれた音楽の交流拠点に」と語る代表の大平さん=伊東市八幡野の伊豆スタジオ

 ■大平代表 「観光振興にも」

 1977年に完成し、昭和後期~平成を代表するアーティストの収録が行われている伊東市八幡野の「伊豆スタジオ」が、スタジオ機能を維持しつつ、地域に開かれた音楽の交流拠点を目指し、かじを切っている。昨夏から新しい運営形態に力を入れる代表の大平太一さん(55)は「人が集まり、音楽を学び創り出す、私的教育機関のような場所にしたい」と目を輝かす。

 運営方針のシフトを換えた背景には、90年代以降のCD、レコードの売り上げ減少によるレコード業界の衰退がある。伊豆スタジオはレコード会社「キティ・ミュージック」(後のキティレコード)が作った国内初のリゾートスタジオ。しかし現在、年間のおよそ半分が利用のない“空き家”状態になっている。

 一方で、録音機材の水準の高さ、風光明媚(めいび)な自然、蛇口をひねると天然温泉が流れる宿泊棟、バーベキューなど仲間との食事や交流が楽しめる中庭など、根強くミュージシャンやエンジニアに愛され続けている。

 大平さんは、伊豆スタジオの持つ唯一無二の価値や魅力を信じ、アマチュアへの門戸開放、海外に向けた音楽イベント交流といった新たな利活用に力を入れている。「単なる貸しスタジオにとどまらず、利用者、住民、地元企業などが音楽を通じてつながり、観光振興にも役立ちたい」と期待する。

 【写説】「地域に開かれた音楽の交流拠点に」と語る代表の大平さん=伊東市八幡野の伊豆スタジオ