第79回黒船祭協賛囲碁大会・名人戦決勝(中)第2譜(62~87)

 ■黒・山本和一(松崎町) 白・高橋正顕(東京都) 自戦記/高橋正顕

 コンピューターの進歩は目覚ましいものがあります。コンピューターは、電卓のようにルールが単純なものは正確な答えを出してくれますが、あいまいな問題には答えを出せない、という課題がありました。

 現在、人工知能(AI)を用いてこれを解決しようという研究が盛んに行われています。その中で、複雑さと奥深さを持つ囲碁を研究題材として取り組んだ企業があり、この1~2年で既に人間を超えたといえる状況になっています。

 今回自戦記のお話をいただき、私の棋力で解説のようなことをするのは難しいため、AIを活用して、本稿を作成しました。わが家の安い家庭用パソコンでは死活や接近戦は間違いも多いのですが、形勢判断などは私より優れており、何とか皆さまに読んでいただけるものになったのではないかと思います。

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 棋譜に戻ります。白は下辺の黒模様を浅く消すつもりが外からかぶせられ、シノギを迫られています。白はずっと堅め着手が続いていましたが、ここは強気な手で押さなければならない、と思いました。

 白64はやや開きすぎで、この瞬間、黒からどんな手が飛び出すか分かりませんが、こう打って、6の十六の割り込みや7の十四のツケコシから逆に包囲している黒を破りに行く態度を見せる方が勝ちやすいと判断しました。黒から何か打ち込んできたら白は8の十五に飛んで振り替わりも辞さないつもりです。

 これに対し、黒65から整形を優先させたのはいたく感心しました。私が黒なら、下辺を荒らされたので、カッとなってすぐに見返りを求めたくなりますが、慌てず腰を落としてチャンスをうかがうのが上手の技なのだなぁと感じました。ともあれ、白74まで下辺を治まることに成功して、地合いリードを意識しました。

 後は17の十三の打ち込みと4の八の傷をどう対処するか、この二つを乗り越えればゴールが見えてきます。4の八に直接切ってくるのは5の九にカケて白二子は取られるけれど、締め付けてやれそう、と考えていたところに黒77と品のいい手が飛んできて迷わされました。白78が正解かは分かりませんが、実戦のように左辺が地になれば成功ですし、黒79で白80にヒイてくれば5の八に守るつもりです。

 ここで黒87が確かに薄いところではあるけれど、緩着だと思います。白は最後の懸念を解消する手順に恵まれました。

 【図版】第2譜(62~87)