事業承継の準備として、少数株主対策を取る必要がある

 株式会社を設立するは、発起人が必要です。発起人は株式会社の設立手続きをする人で、最初の出資者でもあります。

 現在、発起人は1人で足りますが、1990(平成2)年の商法改正前は、7人以上必要でした。そのため株式会社を設立する際に、経営者は自分以外に配偶者や子、兄弟姉妹、従業員などを発起人として、少額の出資をさせ、7人以上の発起人を確保することが多く行われていました。

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 この発起人が事業承継の準備にどう関係してくるのでしょうか。

 発起人は会社設立後、必ず株主になります。少額の出資しかしていない少数株主であっても、株主としての権利を有します。発起人7人時代に設立した会社は少数株主がいる可能性が高いこととなります。

 少数株主が事業承継に協力的であればよいのですが、必ずしも協力が得られるとは限りません。株主としての権利を行使し、事業譲渡などの承継手段に反対してくる可能性があります。また、少数株主が死亡し、相続が発生すると、株式の帰属先が確定しないことも起こり得ます。

 そのため事業承継の準備として、少数株主対策を取る必要が出てきます。

 具体的には、少数株主の所有株を任意で買い取る方法があります。それが困難な場合、少数株主株を強制的に買い取る方法や議決権を行使できなくするような対策を講じる場合もあります。

(小田原市・伊奈綜合法律事務所、伊豆の国市出身)