第79回黒船祭協賛囲碁大会・名人戦決勝(下)

 ■黒・山本和一(松崎町) 白・高橋正顕(東京都) 自戦記/高橋正顕

 白88が勝利宣言です。17の十三の打ち込みを消しながら中央の黒地を削っており、勝ちになったと思いました。

 ちなみに前譜黒87で17の十三に打ち込まれていたらどうなっていたでしょうか。黒17の十三、白16の十三、黒17の十二のブツカリに対して、白は戦えると思えば16の十一に立ちます。ただ、黒が16の十二の出を打ってから18の十一にハネツギ18の十五にスベられると、なかなかこの黒を取れないように思います。17の十二にブツカられたら16の十二に押さえるしかないと思いますが、黒18の十一と渡られると地を取られるだけでなく全体を攻められることになり、残りの持ち時間を考えると、冷静に収束できたかはあまり自信ないところです。

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 なお、前譜で紹介したわが家の人工知能(AI)は17の十三と打ち込まれても白が形勢良しといっているのですが、なぜ良いか、までは教えてくれないので、まだまだ人間に遠く及ばない所で、自分で考えるしかありません。

 実戦は白88と飛んで勝利宣言、のつもりでしたが黒の勝負手にあい、ドキッとさせられます。黒89に続く黒91の切りがそれで、13の十のハネ返しくらいのものと思っていたのですが、さすがに楽に勝たせてはくれません。

 少ない持ち時間をつぎ込んで、白92、94を見つけた時にはほっとしたことを覚えています。黒91、93の2子のダメヅマリを狙って17の八にツケる手をにらんでおり、黒の動きが不自由です。黒95から白92を抱えたのは仕方なかったかもしれませんが、白100とゲタに掛けては今度こそ白の勝ちが決まりました。

 以降、白138は黒18の十五に切られて危ないとかいろいろ恥ずかしいミスがあるのですが、いずれも勝敗には影響せず、譜の163の後、数手進んだところで黒の時間が切れ、白の勝ちとなりました。

 先述の通り、私にとって下田市は生まれ故郷でありそこで優勝できたことはうれしく、一つ自信になりました。また、見知らぬ私に何人もの方が気さくに声をかけていただき、リラックスして対局に挑むことができたのも勝因の一つかと思っています。大変ありがとうございました。

 最後になりますが、大会運営に携わられた皆さまに感謝申し上げます。

 【図版】第3譜(88~163)