第11回外岡壮亮杯小中学生将棋大会小学生の部決勝(上)

 ■杉本和嗣(中伊豆小4年) □加藤駿(西小4年) 観戦記/太田信一

 「大丈夫かなー」と心配そうな顔で田中伊東支部長がつぶやいている。9時半を過ぎてからの会場であるセンターコートは、参加者とその親御さんであふれかえっていた。準備した盤と駒は35組。参加者が70人を超えると足りなくなる。

 幸いにも田中将棋道場までは近い。70人オーバーならば盤・駒はすぐに取りに行けば何とか準備できる。会場のテーブルは4人掛けから6人に詰めてもらえれば10人は増やすことができる。頭の中ではくるくると計算し始めていた。

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 5月5日小中学生将棋大会がショッピングセンター・デュオにおいて開催された。今回が11回目となり藤井聡太ブームの影響からか、昨年よりも参加者が予想以上に多く冒頭のうれしい悲鳴となった。大会の運営に携わるものとしては一人でも多くの子どもさんに今日一日を将棋で楽しんでいただきたいと心から思うものである。

 5対局終了時に全勝者が2人という状況で急きょこの2人での決勝戦を行うこととなった。全勝は伊豆市から参加した杉本和嗣君(中伊豆小4年)と伊東市から参加の加藤駿君(西小4年)。決勝棋譜をとっていただいたのは熱海支部長の原さん。いよいよ小学生の部参加49人の頂点を目指しての最後の対局が始まった。

 戦型は後手の角交換四間飛車である。数年前までは振り飛車を目指すならば角道を止めるのが本道であったが、今は昔の話である、最近はプロの対局でさえ角道を通したままである。角道を止めるとやや守勢を強いられる。そもそも振り飛車は居飛車の攻めてくる反動を利用して(手に乗って)さばくのが信条であった…と記憶しているのだが、後手番で一手、飛車を振って一手、角を交換して一手と序盤で三手損もいとわない。この四間飛車の主張は居飛車穴熊をけん制しつつ、隙あらばこちらから手持ちの角を使って積極的に動きますよと言っている。

 両者良く研究されている手順なのであろうか序盤の進行はお互いに角打ちの隙を作らぬ様にノンストップで玉を固め合う。

 棋譜だけを見れば有段者のそれと区別はつかない。否、それどころか駒をあやつるしなやかな手つきは双方立派な高段者である。

■7六歩  □3四歩

■2六歩  □4二飛

■4八銀  □8八角成

■同銀(第1図)

      □2二銀

■4六歩  □3三銀

■4七銀  □6二玉

■4八飛  □7二玉

■6八玉  □8二玉

■3六歩  □7二銀

■1六歩  □1四歩

 【図版】第1譜(■8八銀まで)

 【図版】第2譜(□1四歩まで)