第11回外岡壮亮杯小中学生将棋大会小学生の部決勝(下)

 ■杉本和嗣(中伊豆小4年) □加藤駿(西小4年) 観戦記/太田信一

 今回の大会の手合いを含めた進行を伊東支部の稲葉良祐さんと星大将さんがまさにそつなくスムーズに仕切っている。1回戦から5回戦まで参加者全員の対戦相手を決め対局票に結果を記入し対戦表に刻々と転記する。子どもたちの対局は早い。「はじめ!」の対局開始の号令のあと5分も経たないうちに「勝ちましたー」と対局票を持ってくる。まさに息つく暇がない。またそれ以外の会場内の全ての問題事もここに持ち込まれる。将棋の反則や対戦相手の不在、果ては落とし物・失せ物の類と対応に追われるのである。大会のスムーズな進行は至難の業であるが驚くべきことに今回はタイムスケジュール通りの進行であった。このお二人の手際の良さと処理能力の高さを垣間見せられた。

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 会場の設営は前夜からである。専門店のフォトゴールさん、竹島屋さん、エンドーさん、花もりさん、モンリーブさん、みつばち保険さんが今回担当ということであり当日の受け付けも手慣れて抜かりなくこなしていただいていた。そして専門店事務局の小西隆晶さんは、この大会に第1回から携わっており、事務方面は言うに及ばず、全てに習熟しているスペシャリストである。この人を抜きにしてこの大会はあり得ない。

 素晴らしき「ウラカタ」さんたちによってこの大会は毎年継続されているのである。

 後手□9七歩打を指した瞬間驚いたように目を丸くして杉本君は加藤君の顔を見た。加藤君は詰まった声で投了を漏らし二人同時に棋譜をとっていた原芳久さんの顔を見た。原さんの視線は後ろに立っていた私に向けられた。「しょうがないよね」といっているのが分かる。歩のある筋に歩を打ってしまったのである。

 「うーん、この続きを見たかったなー」開口一番原さんが言った。誰もが心底そう思ったに違いない。序盤早々角を手持ちにする将棋は後の駒組みに神経をすり減らす。しかも1日6対局は集中力も限界でどこでミスを犯しても不思議ではない。2人とも最後までしっかり指していただいたことに感謝をしたい。

 決勝が終わり小学生の部、中学生の部とそれぞれの表彰式が行われる。今回中学生の部では女子の方が優勝されていた。私の記憶違いでなければこの大会の女子の優勝は初めてではないだろうか。表彰を受けている彼女の凛とした顔立ちと、はにかむようなしぐさに、遠目ではあったが深窓の令嬢を思い起こしていた。

(第3譜) □8五歩

■同歩   □同桂

■8六歩  □9七歩打

後手反則負け(第4譜)

 【図版】第3譜(■4八飛まで)

 【図版】第4譜(□9七歩まで)