第3譜(94~115)

 ■黒・高橋正顕六段(東京都) 白・新城良則六段(伊東市) 自戦記/高橋正顕

 左下で白の大石を取れるかどうかという局面を迎えています。一方で、白の大石を取れなくても、先手をとって5の二へ回れば地合いは黒悪くないのではないか、とも思っていました。そこで、「できれば無条件で白の一団を取ってしまいたい」という思いと「下手に攻めて損をしたり後手を引いたりしたくない」という両方を考えながらの攻めになりました。

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 白94は常用のシノギ筋。黒95で2の十六と切ればコウですが、複雑なことは避けたいので、臆病なようでもまずは黒97まで自身の生きを確かめました。

 ここから先は変化が多岐にわたり、つぶさに説明することは私の棋力としても、紙面の都合としても難しく一応私の中の結論めいたものを述べるにとどめさせてください。

 結論としては、黒101が失着で、104に押さえておかなければならず、それで白は死んでいたようです。黒101と打つと、実戦のように白102の地点に白石を持ってきながら白108まで先手で左辺に一眼を作ることができます。その後、白110辺りで白7の十五と打たれると、黒が無条件白死を目指すなら黒6の十六と眼を取るしかありませんが、続いて白6の十四とハネ出されると、白102があるために、黒7の十四に切ることができなくなっています。こうなっては黒は白を取るどころではなく、双方最善を尽くしてセキになると思いますが、ヨセ勝負になりそうな気配です。なお、非常に気になる114のところは、黒に出られても、白7の八に強引に押さえておいて、外の白は無事のようです。

 実戦の進行は、白114に対して黒115と急所を守ることで左辺黒がはっきり生きとなり、自然と左下の白が死んだため、白投了となりました。

 上譜で自己紹介させていただいた通り、本大会は30年ほど前に何度か参加させていただきましたが、今年で48回目を迎えたとのこと。長きにわたる関係者様の尽力に感謝申し上げます。

 【図版】第3譜(94~115)