【第71回新聞週間10月15日~21日 真実と人に寄り添う記事がある】

 「真実と 人に寄り添う 記事がある」を代表標語に15日、新聞週間が始まる。21日まで。標語に込められた「ファクトを追求し、人間の心を伝える記事をこれからも読みたい」という思いに応えられるよう、新聞は取材で裏付けられた事実に基づいて、地域の出来事を細やかに発信している。その新聞を各家庭に届ける大切な役割を果たしているのが新聞販売店。伊豆各地の販売店の店主に、日々の仕事にかける思いなどを聞いた。

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 ■一日の始まり 安心感届けたい―古谷新聞店(伊東市)店主・小川雅彦さん(51)

 かつて、本社に勤めて、新聞印刷の仕事に携わっていた。「その頃は、自分で刷った新聞を自分で配っていた。だから、今でも新聞に対する思いは人一倍強い。読む人が読みやすいよう、さっと取り出してすぐ開けるよう、新聞受けへの入れ方にも気を配る」

 細かい気配りを忘れないのは、届いた新聞を読むことが一日の始まりになっている人が多いから。「新聞があることで安心してくれる人がたくさんいる。毎朝きちんと届くことへの安心感を持ち続けてもらえるようにするのが、自分たちの役割」。

 「子どもの頃から当たり前のように新聞と共に育ってきた人は多い。だからこれからも、活字はなくならないと思う」と期待を込めて語った。

 ■全国紙にはできない 若者読者へ工夫を―江本新聞店(熱海市)社長・江本文典さん(61)

 「テレビだけでなくインターネットも普及した現代、新聞は速報性で一番のメディアではなくなっている。しかし、すぐに情報の発信・消去ができるネット社会だからこそ、一番信頼できるのは手元に残り何度も確認できる新聞だと感じる」と新聞の価値を語る。

 熱海市は県内の市部で最も高齢化率が高い。「何日も新聞がたまっている場合もあるので、住んでいる人が元気か注意するようにしている」と毎日配達する新聞店ならではの気配りをしている。

 本紙に対して期待することは、若者が興味を持つ新聞作り。「子どもの写真を大きく掲載することや地元の若者紹介など、全国紙にはできない若い人たちに読んでもらえる工夫をしてほしい」

 ■一番のローカル紙 さらに地域の話題を―土屋新聞店(下田市)社長・土屋篤洋さん(52)

 今年2月に父・幹夫さん(83)から経営を引き継いだ。下田市、南伊豆町、河津町の一部(縄地と逆川)をエリアとし、約30人の従業員を抱える。事務や中継地点への配送、欠員が出た場合の配達と何でもこなす。

 人口減や若者の活字離れなど厳しい状況にある中、「一軒一軒の読者を大切に、どんな時でもしっかりと新聞を届けていきたい。読者との触れ合いや、『ご苦労さま』『ありがとう』など励ましの言葉がうれしい」と前向きに取り組む。

 本紙に対し「地域で一番読まれているスーパーローカル紙。購読料の値上げやテレビ欄の廃止を補って余りあるよう、これまで以上に地域の話題をたくさん届けてほしい」と期待を寄せた。

 ■めくれば「興味」見つかる 他紙に載らない記事を―佐藤新聞店(伊豆市)社長・篠子敬美さん(76)

 「ネットは見たい部分しか見ない。新聞は、ページをめくれば政治や経済、事件事故などいろいろなことが分かり、その中に必ず興味のあることが見つかる」と新聞の意義を強調する。「新聞を読まなくなると、考える力が衰える。子どもの時から新聞に触れてほしい」と活字離れに警鐘を鳴らす。

 本紙については「全国紙に載っていない出来事が載っていて、読者と話題になることが多い」と期待を寄せる。先日は「昭和オヤジHARAバンド」の一員として、自身が演奏する様子が本紙に掲載された。「みんなから『見たよ』『載った新聞がほしい』と言われ、ちょっとした有名人になったような気分だった」と効果を実感する。