歌を披露する「だんだん畑」の2人=伊東市宇佐美のうさみの園

 11月11日は「介護の日」。介護について理解と認識を深め、地域社会で介護従事者、介護サービス利用者と家族を支え合い、交流するため2008年7月に制定された。

 介護施設の現場では人手不足が深刻化する中、介護スタッフの補助や、利用者が楽しいひとときを過ごすため活動するボランティアが活躍している。伊豆地区内の各施設のボランティア団体、個人を取材した。

 ■童謡「赤とんぼ」など 一緒に歌って楽しむ

 ▽「だんだん畑」鈴木延幸さん(65)、梨本直幹さん(66)

  特別養護老人ホーム「うさみの園」(伊東市宇佐美)

 月に1回「うさみの園」を訪れ、歌を披露する。利用者たちも歌詞を見ながら一緒に歌い、元気に声を出している。

 宇佐美在住の「だんだん畑」は鈴木延幸さん(65)と梨本直幹さん(66)の2人組バンドで、昨年7月に活動を始めた。活動は鈴木さんが近所の介護ボランティアと知り合ったことから始めた。以降3施設で月1回ずつ演奏している。

 持ち歌は約60曲で「上を向いて歩こう」「赤とんぼ」など利用者に配った歌詞カードの中から15曲歌うという。高齢者が一緒に歌えるような童謡が中心でリクエストにも応えている。

 鈴木さんは「歌って楽しんでもらうことが一番。結構好評のようだ」と話した。

 ■身だしなみサポート 社会に恩返ししたい

 ▽散髪ボランティア 田中孝子さん(68)

  複合型介護福祉施設「熱海伊豆海の郷」(熱海市伊豆山)

 「私にとって数少ない社会との接点であり楽しみでもある」―。熱海市伊豆山の複合型介護福祉施設「熱海伊豆海の郷」で月1回、散髪ボランティアを行う同市下多賀の主婦田中孝子さん(68)はこう言って入居者と楽しげに語らいながらはさみを動かした。

 家族に降りかかった一大事に多くの人に助けられた記憶から、50代半ばを過ぎて「社会に恩返しがしたい」と一念発起。若い頃、東京の美容室に10年間勤務した経験を生かし、2007年の同施設開設直後から入居者の身だしなみのサポートを続けている。

 毎回入居者の笑顔に迎えられるという田中さんは「皆、人生の大先輩。いろいろ学ぶことも多い。体が動く限り続けたい」と朗らかに語った。

 【写説】歌を披露する「だんだん畑」の2人=伊東市宇佐美のうさみの園

 【写説】入居者と楽しげに語らいながら散髪を行う田中さん=熱海市伊豆山の伊豆海の郷