身近な法律講座 87=【事業承継15】M&Aのさまざまな方法

 M&A(第三者による承継)の代表的な方法としては(1)会社の株式を他の会社に譲渡する(2)株式を他の個人に譲渡する(3)会社の事業を譲渡する(事業譲渡)があります。それら以外にも合併、株式交換、会社分割といった方法があります。

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 株式の譲渡は、株式を売ることです。

 事業譲渡は、会社が有する事業の全部ないし一部を譲渡することです。買い手は必要な事業だけを取得できます。売り手は不要な事業を売却し、必要な事業を手元に残すことができます。事業の一部譲渡の場合、譲渡しなかった他の事業が会社に残るため、事業承継は完了しないことになります。

 合併は、二つ以上の会社を一つの会社にすることです。中小企業のM&Aの場合、新たに設立した会社が合併する会社の権利義務を承継する新設合併ではなく、承継される会社(消滅会社)を承継する会社(存続会社)に吸収させる、吸収合併の方法をとることが多いです。

 株式交換は承継されるA社の株主に、A社株式の代わりに承継するB社の株式を取得させる方法です。A社はB社の完全子会社になります。

 会社分割は事業の一部を新設する別会社、あるいは既存の別会社に承継させる方法です。分割した会社が残るため、会社分割だけでは、事業承継が完了しないことになります。

(小田原市・伊奈綜合法律事務所、伊豆の国市出身)