黒−西島信也(伊豆本因坊・二子) 白−青葉かおり(日本棋院棋士五段) 観戦記/宗像克典(日本棋院伊豆支部長)

 新年の打ち初め、上達祈願詣はされましたでしょうか。伊豆では三嶋大社に吉備真備囲碁之図彫刻があり、囲碁ファンの初詣に最適です。ぜひ上達祈願なさってください。

 白45に対し黒46と{サバキはツケから}行動しましたが、黒54が失着で白55と持ち込みとなってしまいました。57ハイか単に56とすべきでした。「白59以下押されては黒悪い」(西島さん)。白63はさすがプロの手。もろもろの味を消して上辺一帯を確定地にします。

 先手を得た黒は64から右辺の攻めにまわりましたが、66では参考図のように行けなかったか。白8ではaに守り黒は8辺り大場に打つところですが仮に下辺に打つとすれば黒9カドから攻められ白は危険になります。

 「下辺大場に打ってもすべてが地になるわけではない。右辺白をあっさり生かしたくなかった」ので、遠目にニラミつつ黒66大ゲイマジマリとしたそうです。70ではAとするなら地を確保する手です。実戦は白73とがっちり厚くされて白83ノゾキが厳しかったと思います。さて黒100とやんわり包囲された白はどのようにさばくでしょうか。

 【図版】第2譜(45~100)

 【図版】参考図

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 ■小笠原斐(伊豆名人) □竹部さゆり(女流三段) 自戦記/小笠原斐

 お互い陣形整備をあまりしないまま、戦いは始まりました。後手は7六歩と取り込み、その後8筋の歩交換をしてきました。先手は7六銀を助けなければならないですが、ここでは6七金右が有力だったようです。6七金右に5五歩8七歩7六飛車同金5六歩と、飛車と銀2枚の交換そして先手玉の守りが薄くなるのが目に映り、選ばなかったのですが、後手玉も守りが薄く、実戦でこの順を選ぶかは悩んでいたとのことでした。また、5五歩には8七銀という選択肢もあり、これも難しい局面だったようです。

 実戦は8七銀を選び、先手は4四歩同歩に4四同角も有力ですが、4三歩に期待していました。4三同金は金が上ずるので指しづらく、先手も悪くないと思っていましたが、6六歩がその手を上回るいい手でした。先手の角が使えなくなり、形勢を損ねてしまいました。

 角道が閉じられた先手は銀を前線に繰り出しますが、後手の8五歩~8六歩が厳しく、駒損こそないものの、駒の働きでは大きく差を開けられてしまいました。先手の頼みといえる飛車も4五歩や4四歩を取ると銀が危なくなるため、取ることができず、やはり働きがいまひとつです。

 かなり苦しい局面ですが、先手は5四歩に勝負手を用意していました。果たして、その勝負手は実ったのでしょうか。

      □3二金

■6九玉  □7六歩

■同銀   □8六歩

■同歩   □同飛

■8七銀  □8一飛

■8六歩打 □7五銀

■4四歩  □同歩

■4三歩打 □6六歩打

■4四飛  □5二金

■4八飛  □6二玉

■4五銀(途中図)

      □8五歩打

■7四歩打 □同銀

■5四銀  □8六歩

■9六銀  □5三歩打

■6三歩打 □7二玉

■4五銀  □6三金

■4二歩成 □同金

■4四銀  □4五歩打

■5五銀  □6五銀

■4五飛  □4四歩打

■2五飛  □5四歩

      (指了図)

 【図表】途中図(■4五銀まで)

 【図表】指了図(□5四歩まで)