会社法で定める制度の中に、事業承継対策に利用できるものがあります。

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 以前みたように、株式会社の重要事項は株主総会で決定します。株主総会は株主で構成されます。株主とは株式の所有者です。会社は原則として、株主をその有する株式の数に応じて平等に取り扱うことが要求されています。

 しかし会社法は、株主ごとに異なる取り扱いができる株式の発行を認めています。例えばベンチャー企業への出資者で、経済的利益に関心はあるが、経営参画の意思がない人がいることがあります。

 そのような出資者にとり、株主総会の議決権への関心は低くなります。その代り、配当で優先してもらうなど、経済的利益を厚くしてほしいと考えます。このようなニーズに応えるため、普通株式と異なる株式の発行が認められており、これを種類株式といいます。種類株式には、さまざまな種類があります。

 種類株式を事業承継対策に利用する方法としては(1)議決権制限株式の発行(2)取得条項付種類株式の発行(3)譲渡制限株式の発行(4)拒否権付株式(黄金株)の発行が考えられます。次回に続きます。

(小田原市・伊奈綜合法律事務所、伊豆の国市出身)