前回、種類株式を事業承継対策に利用する方法として(1)議決権制限株式の発行(2)取得条項付種類株式の発行(3)譲渡制限株式の発行(4)拒否権付株式(黄金株)の発行があると説明しました。それぞれの内容と利用方法を見ていきます。

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 (1)議決権制限株式は、議決権の全部ないし一部が制限されている株式です。後継者には議決権のある普通株式を、それ以外の相続人には議決権が一切ない無議決権株式を、それぞれ相続させれば、会社の支配権を後継者に集中させつつ、遺留分減殺請求による株式の分散を回避できます。

 (2)取得条項付種類株式は、一定の条件が成就すると、会社が当該株式を所有者から買い取ることができるという株式です。「株主の死亡」という条件が成就したとき、その株式を会社が買い取れることにしておくことで、相続による株式の分散を防止できます。

 (3)譲渡制限株式とは、株式を譲渡する際に、株主総会ないし取締役会の承認が必要な株式です。経営者以外の株主が、経営者にとり好ましくない第三者に株式を売却しようとした場合、株主総会ないし取締役会が承認せず、株式の分散を防止できます。

 (4)拒否権付株式(黄金株)は、合併や取締役の選任など、会社の重要事項につき当該種類株式の総会の承認が必要となる種類株式です。後継者が黄金株を取得することで、会社の重要事項の決定権を確保できます。

(小田原市・伊奈綜合法律事務所、伊豆の国市出身)