【図版】指始図(■6八金寄まで) 【図版】指了図(□8七金寄まで)

 ■野表柾斗(のおもて・まさと/1年) □三好神維(みよし・かむい/2年) 観戦記/福島康夫

 本局の初手□6七馬から三好君は寄せを目指して猛攻。□5五桂から□6八金以下野表君の守備駒をはがしていく。本局の16手目■8八金の受けには、さすがにここでは攻めきれず、□2八龍とバックした。この間隙(かんげき)を縫って野表君が最後の勝負に出た。が、三好君の□7九銀が詰めろで勝負あり。ずっと劣勢だった野表君がなんとか形造りにまでもってこられたのは立派だったが、投了図を見てください。

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 第1譜でちょっと触れたように、■2六銀が全くの遊び駒。昔、阪田三吉がこのような銀を「銀が泣いている」と言った。が、今はこんな芝居がかったセリフは似合わない。チコちゃんならこう言って叱るだろう。「こんなとこでボーッとしてんじゃねーよ」。棒銀戦法が「ボー銀」になってしまった。本局、野表君の敗因はこれに尽きると思う。

 さて、高校時代、私にとってははるかに昔の思い出だが、青春まっただ中な彼らは将来のことをどう思っているのだろうか。長い人生には山アリ、谷アリ、トンネルアリ。困難なことに直面した時、将棋で鍛えた粘り腰で乗り越えてほしい。彼らの未来に幸あれ。

      □6七馬

■同金   □2八飛

■7八銀  □2九飛成

■8八玉  □5五桂

■7七金  □6八金

■8六馬  □7九龍

■9八玉  □7八金

■同金   □同龍

■8八金  □2八龍

■5三馬  □7九銀

■6二馬  □同玉

■9七角  □8六歩

■8二飛  □5三玉

■3二飛成 □8七金

まで94手で後手勝ち

 【図版】指始図(■6八金寄まで)

 【図版】指了図(□8七金寄まで)