丹精して育てるミニトマトを見つめ「娘が跡を継ぎたくなる農業を進めたい」と話す小林さん=三島市の「小林農園」

 【私の子育て奮闘記】体力、時間もきつい仕事 近くで成長見られる

 ■小林宏敏さん(29) 「小林農園」経営 三島市川原ケ谷 妻・綾奈さん(29)主婦/紅波(くれは)ちゃん(1)

 昨年5月、第1子である長女の紅波ちゃんが生まれた。名前は、真っ赤なトマトが鈴なりに、波のようにすくすくと育つイメージと願いを込めて付けた。宏敏さんは専業農家の7代目。結婚を機に、27歳で「小林農園」の代表となった。綾奈さん(清水町出身)は保健師として働いていた。父親は会社員だったため、農家の暮らしは全く知らずに結婚した。

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 綾奈さんは「農業は朝から晩まで働いて、体力的にきつく、夏は暑く、冬は寒い、厳しい仕事とのイメージを持っていたが、夫の働く姿を見ていて、その通りだった」と笑う。

 農家の朝は早い。朝5時には起きる宏敏さん。紅波ちゃんの夜泣きが何カ月も続いた時は、しばらく別の部屋で寝起きするなど工夫して暮らしたという。

 「夫は子育てにとても協力的。けれど、疲れている夫をできるだけ休ませてあげたいとの思いがあり、夫に頼らず子育ても家事も何でも自分だけで、やろうと思ってしまう」という綾奈さん。「会社勤めとは違い夫はすぐ近くで農作業をやっているので、そばにいる安心感は常にある。最近も娘が急に具合が悪くなり吐いた時は、すぐに飛んできてくれて、一緒に車で病院に行ってくれた」と振り返る。

 農業は、自分が手をかけた分だけ、野菜の味がよくなるのが面白いと宏敏さんは実感している。「丸一日休むのは難しいが、娘と過ごす時間は大切にしたい。お風呂はどんなに収穫が忙しい時でも一度家に戻るなどして、一緒に入っている」と話す。

 「機械化を進めれば、肉体労働も減り、女性でも農業はできるようになる。娘が将来、『継ぎたい』と言ってくれるのが夢」。現在、ミニトマトを中心に、露地でロメインレタスやミニ白菜など新しい作物にも取り組んでいる、また地域では珍しい梨の生産にもチャレンジしている。

 綾奈さんは「夫は結婚前に、保健師の仕事が好きなら辞めなくてもいいと言ってくれたが、今は子育てをしながら農業も一緒にしたいと思っている。作物の成長を娘と一緒に観察するなど、農家の環境だからできる経験や体験を親子で楽しみたい」と話す。

 宏敏さんはJA三島函南の若手生産者6人で作る「箱根西麓のうみんず」の最少年メンバー。「箱根西麓三島野菜」のブランド価値向上に力を注いでる。昨年、宏敏さんのほかメンバー3人にも子どもが生まれた。子どもたち4人が同級生になる。農家仲間とは集まる機会も多いと宏敏さん。「親たちにとっても、将来子どもたちにとっても、いろいろな悩みも共有でき相談もできるので、頼りになる」と言い、綾奈さんも「夜泣きの相談や、小児科はどこがいいなどの情報を教えてくれたり、娘にお下がりの洋服をもらったりと、子育ての助けになっている」と話す。

 農家で子どもが育つ魅力は、いつもおいしい野菜を食べることができること、そして、家族がいつも近くにいられることと話す2人。宏敏さんは「父親として楽しんで仕事をしている背中を娘に見せながら、子育ても妻と協力して、一緒に娘の成長を見届けたい」と話した。

 【写説】丹精して育てるミニトマトを見つめ「娘が跡を継ぎたくなる農業を進めたい」と話す小林さん=三島市の「小林農園」

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 【いわいとしおさん・いずのペンギンさんちだより】

 【ここ!いいよ!】市立公園「六仙の里」(伊豆市城)

 県道伊東修善寺線から少し入った高台に、広大な公園が広がる。市内や近隣市町から家族連れ、グループなどが遊びに訪れる。

 春の桜をはじめ、初夏にはアジサイ、秋には紅葉など四季折々の景色が楽しめる。遠くの山々や町を見渡す抜群の眺望を持つ公園内には、遊歩道やドッグラン、イベント広場などを備える。

 芝生広場にはローラーすべり台、ターザンロープもある。2歳半の男児と伊東市から訪れた父親は「週1くらいのペースで来ている。とてもきれいに整備され、遊具も充実している」と話した。キッズスペースを設けた多目的室もある。

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 91台分の駐車場、2カ所のトイレを完備。営業時間は4~8月が午前9時~午後7時、9~3月が午前9時~午後5時。無休。問い合わせは管理事務所〈電0558(83)4670〉へ。

 【お役立ち情報・これ!いいな】園と同等の質細やかに 家庭的保育(河津町)

 河津町は3人の保育士が家庭的保育を行っている。一定の基準を満たした保育者の自宅などで3歳未満児を最多で5人まで保育する事業で、旧称は「保育ママ」。2000年に保育ママを始めた石橋ひろみさん(58)のほか、鈴木雅孔さん(45)、渡辺薫さん(43)が連携を図りながら計11人を保育する。

 0歳児を受け入れる保育園がない町にとって、不可欠の事業だ。保育料は保育園と同じく、町が定める収入に応じた料金。細やかな保育や3人の人柄に魅力を感じて選択する保護者も多い。

 15年に国が定めた新制度により、現在石橋さんらは町が認可する地域型保育の個人事業主という立場だ。子ども1人当たりの給付費は保育ママ時代に比べて大幅に増えたが、その分サービスも保育園と同等の内容を求められる。それぞれ1~4人の補助者を雇い、給食も提供。全国の家庭的保育者を結ぶNPOにも加盟し保育の質の向上を図っている。

 3人の原動力は「子育て環境を良くしたい」という強い思いだ。石橋さんは育児サークルを主宰、鈴木さんは図書館でおはなし会を行い、町の子育て支援の一端を担っている。問い合わせは、町健康福祉課〈電0558(34)1937〉へ。

 【写説】図書館で毎週行われる鈴木さんのおはなし会には、全員が集まり楽しく過ごす=河津町笹原