浮体部分がなく係留用のくい4本と連絡橋だけの不完全な状態になっている観光浮桟橋(後方は定期船が接岸する観光桟橋)=伊東港

 ■県「方針決まり次第対応」

 県熱海土木事務所は3日、伊東港観光浮桟橋の利用促進に関する第2回検討会を、伊東市役所で開いた。浮桟橋は2014年11月の落成・供用開始以来、2年以上利用されたことは一度もない。さらに、昨年8月の台風9号の波で係留装置が壊れ、漂流を防ぐため浮体部分を港内にある対岸の防波堤に移動。元々設置された初島、伊豆大島行きの定期船が発着する観光桟橋の先には、係留用のくい4本が残り、連絡橋が宙に浮いている不完全な状態だ。前回の意見を踏まえ、行政、漁業、観光関係者らが利活用策を話し合った。

 市、いとう漁業、伊東観光協会、遊覧船業者、下田海上保安部などの代表者ら約15人が出席した。按針祭花火大会の臨時運航、自衛隊艦船乗組員の上陸時利用といった活用案が挙げられた一方、「本来の定期船運航業務に支障を来さないよう調整する必要がある」などの意見も出された。

 浮桟橋は小型遊覧船などの就航を可能にし、大規模災害時は浮体を移動させて緊急物資の受け入れなどに活用しようと、同土木事務所が10年度から約3億6千万円で整備した。しかし供用開始直前の13年10月、台風26号による波浪の被害で係留装置と連絡橋が破損。約1億円をかけ修理し、予定より1年遅れ落成・供用開始した。

 16年2月には伊豆大島へ向かった高速船がクジラと衝突する事故が発生。乗客の緊急下船に使用しようとしたが、連絡橋に鍵がかかっていたため、使えなかった経緯もある。

 村松武馬・同土木事務所技監兼伊東支所長は「緊急時に使えるよう、施錠用の鍵は海上保安部や定期船運航会社など関係機関に配った」と説明、「具体的利用の方針が決まってから、修理や強化、改善など、できるだけ早く対応したい」と話している。

 【写説】浮体部分がなく係留用のくい4本と連絡橋だけの不完全な状態になっている観光浮桟橋(後方は定期船が接岸する観光桟橋)=伊東港