母・うめさんの作品「押しくらまんじゅう」を眺める石野さん=伊東市八幡野の城ケ崎文化資料館

 ■家族で暮らした時代再現 疎開先・但馬の風景主に30点

 2014年に107歳で亡くなるまで創作意欲を持ち続けた渡辺うめさんの創作人形展「あぜ道の詩」が4月2日まで、伊東市八幡野の城ケ崎文化資料館内ギャラリー・アジサイ舎で開かれている。昔懐かしい農家の様子をモチーフにした人形約30点と写真、タペストリーが飾られ、心温まる家族の雰囲気を伝えている。入場無料。

 渡辺さんの長女で陶芸ギャラリー去来庵を主宰する石野真菜さん(埼玉県日高市)によると、渡辺さんは青森市出身。人形作りを始めたのは75歳で、97歳まで作り続けた。「家族みんなが力を合わせて暮らしていた時代」を再現し、疎開した兵庫県但馬地方の風景が主になっているという。

 布と綿、針金などで作る人形は実物の3分の1と6分の1の大きさ。表情は笑顔ばかりだ。石野さんは「農家の人はつらい生活をしているのに、にこにこしている。作る喜び、育てる喜びの充実感が笑顔の源になっていると思ったようです」と母親の心情を説明。「みんなが肩を寄せ合って自分の持ち場の仕事をこなし、一家が成り立っていた時代を見てほしい」と来場を呼び掛ける。

 16日は午後1時からトークショーがあり、石野さんと郷土史研究家の小林一之さんが出演する。問い合わせは同資料館〈電0557(54)0959〉へ。

 【写説】母・うめさんの作品「押しくらまんじゅう」を眺める石野さん=伊東市八幡野の城ケ崎文化資料館