アンコールワット遺跡の修復に使われている石について説明する石井さん(左奥)=東京都千代田区の上智大

 ■「世界遺産の修復 感無量」

 伊東市富戸の石井石材社長の石井幸弘さん(60)がこのほど、東京都千代田区の上智大四谷キャンパスで開かれた国際公開講座に講師として招かれた。石井さんは、昨年4月、約2週間カンボジアに赴き、世界遺産アンコールワット西参道修復事業に加わった。炎天の下、現地で作業員を指導した経験を語ったほか、実際に修復に使われている石を示しながら伝統の石積み技術などについて実演、解説した。

 公開講座は、上智大アジア人材養成研究センターが主催した。同センターは1996年に開設された。アンコールワットで20年以上にわたり西参道修復や発掘調査などに協力。石井さんら熟練の石職人を派遣し、現地の職人への技術指導などを行っている。

 石井さんは、安土桃山時代に活躍した石工集団「穴太衆(あのうしゅう)」による石垣施工技術を紹介。カンボジアに伝わる高い技術の石積み法と比較しながら話した。また、現地の修復に実際に使われているラテライト(紅土石)を使った加工の模範実演なども披露した。

 石井さんはアンコールワットでの貴重な経験を振り返り「40度近い暑さの中で大変苦労したが、自分の仕事が世界遺産に残り感無量。今後も何らかの形で修復への協力を続けたい」と力を込めた。

 【写説】アンコールワット遺跡の修復に使われている石について説明する石井さん(左奥)=東京都千代田区の上智大