故・永田さんの作品「富戸の祭」を寄贈する岡本さん=富戸の三島神社

 ■秋祭り生き生きと 晩年の生活拠点、住民と交流も

 伊東市富戸で晩年を過ごした日曜画家故・永田苔丸(ちよまる)さんの油絵「富戸の祭」が、富戸の三島神社(大宮弥宗司宮司)に飾られることになった。地元の秋祭りを生き生きと描いた大作で、「故人が愛した富戸の絵を、地元の皆さんに見てもらいたい」という遺族の願いに同神社が応えた。大宮宮司は「素晴らしい作品。神社の宝として大切に守っていく」と語る。作品は近く、社殿に飾られる。

 都内に住み会社勤めの傍ら趣味で絵を描き続けていた永田さんは富戸の自然が気に入り、1990年に家を建てた。以来週末などを利用して行き来し、富戸や近隣の豊かな自然や行事などを題材に制作を続けた。晩年は生活拠点を富戸に移し、地元の人たちとの交流を楽しみながら好きな絵を描いて過ごした。2012年秋、86歳で亡くなった。

 遺族は永田さん亡き後も、作品を保管するため富戸の家をそのまま残していた。しかし家屋の傷みが進んだことから、思い切って処分を決めた。作品も一緒に片付けることにしたが、「富戸の祭」だけは何とか残したいと願い、同神社に相談。先日、おい岡本博さんが神社を訪れ、作品を寄贈した。

 作品は縦116センチ、横91センチの大きさ。神輿(みこし)を担いで境内を練る若衆と見物客、静かに見守る祭典役員らの姿が、よく晴れた秋の日を思わせる明るい色調で描かれている。1994年の第12回伊豆美術祭絵画公募展に出展したことから、故人も気に入っていたと思われる。

 永田さんのめい高村小百合さんは「神社の集会所にでも置いてもらえればと思っていたが、社殿に飾ってもらえることになり驚いている。叔父も、きっと喜んでくれると思う」とうれしそうに話した。

 【写説】故・永田さんの作品「富戸の祭」を寄贈する岡本さん=富戸の三島神社