アルバムを手に思い出を語る土屋社長=銀座元町のヤマモトコーヒー・一番館

 ■展覧会700回超 3日から特別展

 伊東市猪戸のギャラリー・ヤマモトが3月9日、開廊40周年を迎える。経営する土屋進さんは「いろいろな人との出会いや交流の場となった“私の応接間”。広さは41平方メートルほどの小さな画廊だが、ドラマがいっぱいあった」と振り返った。

 開廊のきっかけは、地元の画家たちの声だった。「画廊を作ってほしい、発表の場をあなたが作ってよ−と何度も何度も言われた。ある宴席で酒に酔って作ると言ってしまい、進めることになった」と笑う。

 ギャラリーは“地方都市に芸術の香りを”をキャッチコピーに、1978年3月9日、ルノワールやピカソといったフランス印象派巨匠の名画20点をこけら落としに展示し、華々しく幕を開けた。開催した展覧会は個展や画廊独自の企画展を合わせると700回を超えるという。

 彫刻家・重岡建治さんとの親交は大きな影響を受けた。「重岡さんとは中学時代に知り合い、コーヒー店開業やギャラリー開設に応援をいただいた。開廊から数年後、重岡さんに『展示替えをしたい』と話したら、イタリア留学前の多忙な時期にデッサンを何枚も描いて渡してくれた」と深く感謝する。

 元伊東高美術教諭で恩師の画家・斎藤真一の個展は最も思い出深いという。「私の夢だった。斎藤先生の個展に通い詰め、3周年に開催できた。斎藤先生も涙ながらにあいさつしてくれた」

 40周年を記念し、2回にわたり記念特別展を開く。第1弾は2月3~18日、藤田嗣治版画展、第2弾は4月中に斎藤真一作品展を予定している。

 「好きだから続けてこられた。生涯現役でやっていきたい」と話した。

 【写説】アルバムを手に思い出を語る土屋社長=伊東市銀座元町のヤマモトコーヒー・一番館