故星野さんが読み込んだ闘病記に貼られた付箋=大室高原の私設図書館「パラメディカ」

 ■故星野さん蔵書、NPOが受け継ぐ 「魅力知って」

 がん患者の立場からより暮らしやすい社会を目指す、NPO法人わたしのがんネット(横川清司共同代表)がこのほど、伊東市大室高原に闘病記中心の私設図書館「パラメディカ」を開いた。広さ約30平方メートルの館内にがんや糖尿病、精神疾患の闘病記など約7千冊が収められ、評判を知った利用者が同館を訪れている。

 膨大な闘病記を集め、分類したのは2年前に大腸がんで亡くなった故星野史雄さん。乳がんで妻を亡くし、同じ病気で苦しむ人の声、希望の持ち方を知りたいと埼玉県で闘病記専門古書店「パラメディカ」を1998年に開店。亡くなる1年半前までインターネット上で闘病記ポータルサイトを運営した。

 故星野さんは同NPOの発足からのメンバーで、理事を務めた。共同代表の横川さん(69)は「亡くなる1週間前に本について相談をした。引き取りますかと聞くと『うん』と返事があった」と話す。

 同NPOは蔵書を受け継ぎ、現在もサイト運営を行っている。1年間蔵書を倉庫に収納していたが、横川さんが所有する大室高原の別荘を利用し、私設図書館を先月オープンした。

 別荘の玄関脇から館内のテーブルの下までみっしりと本が詰まっている。リビングには7段の本棚が2重に設置され、病気ごとに本が分類されている。本によっては付箋が貼られ、熱心に読み込まれたことがうかがえる。

 横川さんは闘病記について「暗いイメージをもたれがちだが、読むと意外と楽しかったりする。著者が執筆する上で病の苦しみを克服しているからではないか」と語り、その魅力を多くの人に知ってもらいたいと願う。

 同館は今年の目標として、故星野さんの蔵書だけでなく、他の闘病記の収集を掲げている。「貸し出しは現在行っていない。認知度が高まれば、闘病記カフェなどのイベントもやってみたい」と意欲を見せる。開館日は毎月第1・3金曜、土曜日。時間は午前11時~午後4時。入館無料。問い合わせは横川さん〈携帯090(8637)2109〉へ。

 【写説】故星野さんが読み込んだ闘病記に貼られた付箋=大室高原の私設図書館「パラメディカ」