年齢を感じさせない力強い歌声でレッスンに励む須貝さん=川奈の自宅

 伊東市川奈のテノール歌手で元音楽教師須貝仁さんは29日、88歳(米寿)を記念したコンサートを、同市富戸のジャズ・カフェ「バターノート」で開く。長年、ドイツ・リート(ドイツ歌曲)の研さんを続ける須貝さんは「一曲でも心に残る歌があればとてもうれしい」と来場を呼び掛けている。須貝さんの独唱コンサートは古希(70歳)記念以来18年ぶり。

 須貝さんは1930年、山形市生まれ。日本音楽学校声楽科で学ぶ一方、複数の有名声楽家に師事した。卒業後は、伊東市内の小・中学校で音楽教諭を務めた。30年ほど前、妻・みつ子さん(故人)と出掛けたドイツ旅行が、ドイツ・リートの道を志すきっかけとなり、以降、ドイツやオーストリアでリートやドイツ語のレッスンを受けたという。

 コンサートでは、シューベルト作曲の「歌曲集『冬の旅』より」から「おやすみ」「菩提樹」など6曲、山田耕筰名曲集から「ペチカ」「この道」など5曲を発表する。15年ほど前から一緒に「冬の旅」の研さんを続けるピアニストの斉藤真知子さん(同市)がピアノ伴奏で共演する。

 シューベルトの冬の旅を自身のライフワークと位置付ける須貝さん。「冬の旅は(音域の高い)テノール用につくられている。原曲、原調で歌い、絶望の中に漂う生のやすらぎや明るさを表現したい」と目を輝かせている。午後3時半開演、終了は5時ごろの予定。入場無料。

 【写説】年齢を感じさせない力強い歌声でレッスンに励む須貝さん=川奈の自宅