作陶に励む小枝さん=伊東市大室高原

 県はこのほど、2018年度の県文化奨励賞の受賞者2個人1団体を発表した。伊豆地区では、伊豆の国市に住む県立韮山高校長桜井祥行さん(57)と伊東市大室高原(富戸)の陶芸家小枝真人さん(44)の2人が受賞した。授賞式は7日、県庁で開く。

 ■伊東・小枝真人さん―伝統文化発信に貢献 陶芸家「創作の励みに」

 小枝さんは受賞に関して「陶芸を通じて日本の伝統文化に携わってきたことを評価してもらえてうれしい。創作の励みになった」と喜びを語った。

 神奈川県藤沢市出身。愛知県立芸術大陶磁専攻を経て同大大学院を修了した。瀬戸染付研究所で学び独立した2003年、親類が住むなど縁のあった大室高原に単身、移住した。「自然豊かで物作りにとても良い環境。作品の発表に関東に出るにも便利な場所」と絶賛。1年後には、同じ陶芸家の妻玲子さんと暮らし始めた。

 昨年まで毎年、伊豆高原アートフェスティバルに積極的に参加。自宅兼アトリエを開放し、地域の文化発信に貢献した。コバルト顔料である呉須(ごす)の濃淡で絵画的な奥行きを出し、大きく白磁(余白)を使い、見る側の想像力をかき立てる作風が特徴だ。「これからも、日本の伝統文化を継承していく姿勢で創作に取り組み、海外に向け発信したい」と目を輝かせる。

 ■伊豆の国・桜井祥行さん―四半世紀、碑文を研究 県立韮山高校長「身に余る光栄」

 桜井さんは約四半世紀にわたって取り組んでいる伊豆半島の顕彰碑を中心とした碑文研究などの成果が評価を受けた。韮山反射炉碑の分析は世界文化遺産登録活動の一助に、慰霊・供養碑の調査は自然災害への対応の警鐘となった。「看過できない歴史資料」と語る。

 これまでに調べた碑は約700基。「伊豆碑文集」として北豆・中豆、東海岸、西海岸の3編にまとめ、学校教材として利活用されている。本紙に各地の石碑を紹介する「伊豆の碑巡り」を連載し、地元の自治体史の編さんにも力を注いだ。近年は伊豆半島ジオパークと関連して自然災害碑についての報告、講演を行っている。

 市文化財保護審議会副会長、伊豆学研究会理事などを務める。受賞について「大変身に余る光栄。今後は(調査中の)三島、南伊豆の碑文集を作りたい。母校でもある韮山高は5年後に創立150周年を迎える。まずは(発行を予定している)記念誌の編さんを頑張りたい」と話した。

 【写説】作陶に励む小枝さん=伊東市大室高原

 【写説】碑文研究に取り組んでいる桜井さん=伊豆の国市の韮山高