■控訴審第5回公判 弁護側「駐車場に2人いた」

 伊東市八幡野の干物店「八八ひもの」で社長ら2人を殺害して金を奪ったとして強盗殺人の罪に問われ、一審・静岡地裁沼津支部の裁判員裁判で死刑判決を受けた元従業員の無職肥田公明被告(65)の控訴審第5回公判が8日、東京高裁(大島隆明裁判長)で開かれた。弁護側の最終弁論が行われ、結審した。判決は7月30日。

 弁護側は「事件当日の午後7時前に干物店の駐車場から車が急発進した」「同じく午後9時すぎ、駐車場に2台の車が止まっていて、2人の人物がいた。建物2階に電気が付いていた」などとする新たな目撃証拠を示し、「明らかになった事実は、いずれも(肥田被告が)犯人でない可能性を示すものばかり」と主張した。

 検察側は「(午後7時ごろの車両は)何らかの用事で干物店駐車場に立ち寄ったにすぎず、不審な事実とは認められない。午後9時すぎの明かりは、被告がそれまで干物店に滞在していた可能性を示している」と反論した。さらに「全ての証拠を開示したが、被告の犯人性を疑わせるような証拠は一切存在しなかった」などとして控訴棄却を求めた。

 2016年11月の一審判決によると、肥田被告は12年12月18日、「八八ひもの」で経営者清水高子さん=当時(59)と従業員小淵慶五郎さん=当時(71)を刃物で突き刺すなどして店内のプレハブ型冷凍庫に閉じ込めて殺害し、売上金など現金約32万円を奪った。