条件付きの林地開発許可を出し、記者の質問に答える川勝知事=県庁

 ■答申受け最終判断 防災工事先行など10項目

 伊東市八幡野で都内の事業者が進める大規模太陽光発電施設(メガソーラー)建設計画への林地開発許可について、川勝平太知事は先の県森林審議会の答申を踏まえ、(6月1日施行の)「『伊東市美しい景観等と太陽光発電設備設置事業との調和に関する条例』等関係法令の順守」など行政指導の条件や、森林法に基づく許可条件を付けた上で、林地開発を許可する最終判断を下した。2日の臨時記者会見で明らかにした。

 ■違反の場合、取り消しも 市条例順守など指導

 森林法に基づく林地開発許可条件として「防災工事を先行し、施行区域外へ土砂が流出しないよう十分配慮して工事を実施する」「希少動植物については、提出された保全計画に基づく保全措置を確実に実行し、生育環境の保全に万全を期すこと」など10項目を付した。業者が条件に従わない場合は許可を取り消すこともあるという。

 また行政指導の条件として、市条例をはじめ関係法令の順守のほか「周辺住民の懸念や不安を真摯(しんし)に受け止め、事業計画や事業の進捗(しんちょく)に応じた説明会を開催し、住民の理解が得られるよう努める」といった4項目を明記した。

 川勝知事は許可判断したことについて「何とも言えないすっきりしない思い」とした上で、他法令の順守を求める条項があり、事業者が条例違反した場合は事業認定を取り消す可能性があると定めている「再生可能エネルギー特別措置法(FIT法)」の重要性について言及。「今後の国の動きを注視していきたい」と述べた。

 中田次城県議は「(今回の知事判断は)規制力の弱い森林法上での限界。行政指導の条件には市条例順守があり、実質的には反対の意思表示と理解している。今後、県には強力な行政指導を、市には業者が条例違反した場合の国と県への迅速、適切な報告を働きかけたい」と話した。

 ■佐野副市長「市条例の順守ありがたい」

 伊東市の佐野博之副市長は「内容を聞いていないのでコメントできない」としながらも、報道陣から内容を知らされると「県も厳しい許可の条件を付けた。市の条例の順守を入れてくれたこともありがたい」と話した。事業者が市に提出する宅地造成等規制法の変更許可申請は、現時点で書類が整っていないという。

 ■訴訟支援する会「工事できぬようすること大事」

 伊豆高原メガソーラー訴訟を支援する会の関川永子代表は「いつか許可を出すと認識していたので特別な驚きはない」としたが、川勝知事が条件や行政指導を付け、取り消しもあり得るとしたことは評価した。「工事ができないようにすることが大事」とし、訴訟の準備を進めていることも明らかにした。

 ■事業者「指導受け事業前に進める」

 伊豆メガソーラーパーク合同会社の担当者は「市の宅地造成等規制法の変更許可も間もなく下りる見込みで、工事のできる環境は整った。付帯条件は真摯(しんし)に受け止め、指導を受ける。住民の安心安全を第一に考え、事業を前に進めていきたい」と話した。着工時期については「一日も早く工事に取り掛かりたいが、今のところは未定」と明言を避けた。

 【写説】条件付きの林地開発許可を出し、記者の質問に答える川勝知事=県庁