写真を解説する六田さん(左から3人目)=伊東市の池田20世紀美術館

 伊東市十足の池田20世紀美術館で、東京都の写真家六田知弘さん(61)の作品展「壁―ヒミツノアリカ」(伊豆新聞本社など後援)が開かれている。フランスのサン・ピエトロ修道院の壁画や東京メトロ京橋駅の壁など多彩な作品51点を展示し、来場者の目を引いている。

 1990年から今年にかけての作品を集めた。中でも14年に撮影した、イタリア・ポンペイの民家の壁画は高さ1・5メートル、幅2・25メートルの大きさで、身支度をする当時の貴婦人を描いたもの。経年劣化によるひび割れや火山被災の痕などが克明に残っている。

 六田さんは1956年、奈良県御所市生まれ。早稲田大卒業から2年後の82年、ネパール・ヒマラヤ山中のシェルパの村で生活し撮影に取り組んだ。88年に初個展「ひかりの素足―シェルパ」を開催した。以来約20年、世界各地の古美術品、遺跡、壁、人などさまざまな対象を撮り、写真展や写真集で発表している。六田さんは「壁にしみこんだ人の祈りや思いに引かれる。堆積した記憶を写真から感じてもらいたい」と話した。

 会期は10月9日まで。期間中の8月4日午後2時から、六田さんによるギャラリートークが行われる。問い合わせは同館〈電0557(45)2211〉へ。

 【写説】写真を解説する六田さん(左から3人目)=伊東市の池田20世紀美術館