大好きな伊東のまちをバックに、自著「世界を踊るトゥシューズ」を手に立つ針山さん

 ■魅力や出会い多数紹介 伊東市宇佐美に国内拠点「若い人、読んで」

 伊東市宇佐美に国内の拠点を構えて世界を舞台に活躍するバレリーナ針山愛美さんがこのほど、著書「世界を踊るトゥシューズ」を出した。旧ソ連崩壊、米国同時多発テロ発生などで揺れ動く社会に正面から向かい合いながら世界各国で踊り続けた人生を振り返り、バレエの魅力、人との出会いの素晴らしさを語っている。

 兵庫県生まれの針山さんは、ロシアのボリショイバレエ学校を首席で卒業。ロシア、米国、ドイツなどのバレエ団で活躍した。モスクワ国際コンクール特別賞、ニューヨーク国際コンクール銅メダル、パリ国際コンクール銀メダルなど数々の賞に輝く。神戸女学院大客員教授。数年前、両親の転居に伴い、宇佐美に国内の拠点を移した。

 本書では、旧ソ連崩壊直後の混乱の中シャワーのお湯も出ない寮で生活しながらレッスンに励んだバレエ学校時代、列車を乗り継いで欧州を駆け巡りオーディションを受けまくった日々、同時多発テロによる不安な日々を過ごしたボストン・バレエ時代、ベルリン国立バレエ団での楽しい日々などを生き生きと描く。その時々に支えてくれた人々との心温まるエピソードも数多く盛り込んだ。

 針山さんは「いろいろなことがありすぎて、とても書き切れなかった。思い起こすと、よく生きていたと思う」と笑い、「バレリーナになりたいという目標があったから、何でもできた。いろいろな人に出会い、さまざまな文化に触れたことが、今の自分に生かされている」と振り返った。

 この本は、特に若い人たちに読んでもらいたいという。「自分の意志で決め、やり抜くことが大事。突き詰めることで、必ず何かを得られる。どんな状況でも、前向きに考えて続けることで、ハッピーになれるはず」とエールを送る。針山さんは現在、さまざまな公演で踊り続ける傍ら、後進の指導にも熱心に取り組んでいる。

 「世界を踊るトゥシューズ」は2千円(税別)。問い合わせは論創社〈電03(3264)5254〉へ。

 【写説】大好きな伊東のまちをバックに、自著「世界を踊るトゥシューズ」を手に立つ針山さん