■検察「土地取得の謝礼」

 伊東市のホテル跡地をめぐる汚職事件で、収賄罪に問われた前市長、佃弘巳被告(71)らの初公判が25日、東京地裁(永渕健一裁判長)であり、佃被告は「間違いはありません」と起訴内容を認めた。贈賄罪に問われた不動産会社「東和開発」の元社長森圭司郎被告(48)も起訴内容を認め、仲介役として収賄ほう助罪に問われた稲葉寛被告(50)は一部争う意向を示した。

 検察側の冒頭陳述によると、佃被告は、東和開発所有のホテル跡地の取得を市議会が可決した後の2015年7月、森被告に謝礼として現金1200万円と300万円分の商品券を要求した。

 その際、土地の仲介手数料名目で稲葉被告の会社に送金し、稲葉被告を介して渡すよう提案。現金で1300万円を受領し、自動車購入費などに充てていた。稲葉被告は、仲介の報酬として200万円を受け取ったという。

 起訴状によると、佃被告は在任中の15年8~9月、東和開発が所有していた伊東市桜木町のホテル跡地を市が購入した見返りに、森、稲葉両被告から現金計1300万円を受け取ったとされる。

 佃被告は伊東市議、静岡県議を経て、05年に伊東市長に初当選。3期務め、昨年5月に引退した。今年6月、警視庁と静岡県警の合同捜査本部に逮捕された。(時事)

 ■身じろぎせずじっと

 濃紺のスーツを着て、白いワイシャツに赤色系のネクタイを締めた佃被告は、裁判長に一礼して法廷に入った。証言台の前に立って裁判長から名前や住所などを尋ねられると、落ち着いた様子ではっきりとした口調で答えた。

 検察の冒頭陳述は、姿勢を正して椅子に座り、両手の指を組み合わせてへその下に置いて、目を閉じたまま身じろぎせずにじっと聞いた。審議の分離が決まり途中で退席する際は、弁護士と言葉を交わしハンカチで額の汗をぬぐってから、再び裁判長に一礼して法廷を後にした。

 ■傍聴券17枚に60人以上が列

 伊東市の前市長、佃弘巳被告らの初公判は25日、東京地裁で開かれ、傍聴券を求めて60人以上が列を作った。傍聴希望者が用意された傍聴券の枚数17枚を超えたため、抽選となった。