検証結果を説明する佐野副市長=市役所

 ■検討委が検証結果 意思決定の過程「不明」―直接、地権者と価格交渉も

 伊東市のホテル跡地購入を巡る収賄罪で前市長の佃弘巳被告が起訴されたことを受けて市が設置した「土地取得に係る業務の見直し検討委員会」(委員長・佐野博之副市長)は21日、検証結果を公表した。対象となった土地のほとんどについて購入に至った経緯の記録が残されておらず、半数以上は購入意思決定のプロセスが不明だった。佐野副市長は、トップダウンの市政を続けた前市長と事務手続きを怠った市の組織の双方に問題があったと結論付けた。

 同委員会は、佃被告の在任中に取得した公共事業用地10カ所について、事務処理や価格が適正だったかを、資料確認や担当者への聞き取り調査などにより検証した。

 その結果、9カ所について書面記録の存在が確認できなかった。そのうち6カ所は、聞き取り調査でも土地取得に向けた利用目的の検討や意思決定のプロセスが分からなかった。佃被告が単独で地権者と交渉したため職員が詳細を把握できなかった土地が4カ所あった。

 検討委員会の外部委員を務めた税理士稲葉衛さんは「市長が直接地権者と価格交渉した事例には驚いた。今まで、土地取得業務についてマニュアルがほとんど整備されていないことも明らかになった。意思決定の過程、価格交渉などの重要な記録が保存されていないのは、市民感覚としては考えられない。とにかく、たいへん驚いた」と検証結果を振り返った。

 同委員会は今後、市議会と連携して来年1月をめどに、土地取得に関する事務処理のマニュアルを作成する。意思決定の透明化を図るための検討組織の設置や取得価格算定のための評価要領策定などを検討する。

 【写説】検証結果を説明する佐野副市長=伊東市役所