1966(昭和41)年、河津町の国道沿いに名産品・みやげ処「伊豆オレンヂセンター」がオープンし、今年50周年を迎えた。

 オープン時から看板メニューとして誕生した“ウルトラ生ジュース”は、1964(昭和39)年開催の東京オリンピックで生まれた「ウルトラC」という言葉にちなんで名付けられたもの。“1杯飲んだら3年長生き?!”のキャッチフレーズも、50年変わらずに親しまれている。

 変わりゆく河津観光の歴史を共に歩み、愛され続けてきた名物ジュースは、伊豆の太陽をたっぷり浴びた地場産ミカンに、ミカンの花から採れたハチミツが入り、さっぱりとした甘みで体にしみわたる。仕入れ先は地元専業農家にこだわり、絶対的な信頼のもと長年の付き合いがあるといいます。

 開店50周年を迎え、同センター取締役・山下光子さんは「長年続けてこられたのは“おなじみさん”がいてくださることですね。ここでしか食べられないもの、買えないものをそろえ、お客さまを大切にという思いでやってきました。」
 たくさんの出来事がある中で、風評被害などに悩まされた苦しい時期は、地元の人たちに助けられたという。
 「お客さまとの楽しい思い出もたくさんあるけれど、東日本大震災で計画停電を実施していたときは店を閉めなくてはならず、従業員にも迷惑をかけました。それでも残ってくれた3人の従業員と共に、その年の5月に再開できました。おなじみさんが“頑張れ、待っていたよ”と、声をかけてくれたのが忘れられない。」と。

 併設する食事処「河津の庄」では、キンメダイの煮付け定食や、伊豆北産のもち豚と生パン粉を使ったもち豚とんかつ定食、伊豆限定サッポロ生ビール黒ラベル<伊豆ラベル>などが味わえる。

 伊豆オレンヂセンターオリジナルで人気の土産「踊り子まんじゅう」は、ニューサマーオレンジなど季節の地元フルーツを餡(あん)にしていて、この時期は「温州みかん餡(あん)」を販売中。河津桜の花びらにかたどられた生地は、稲取高原産の卵を使用し、一口ほおばれば口の中いっぱいに風味が広がる。

 この先60年、70年の展望を、社長の山下千秋さんに伺うと「一年一年大切にして、その先に100年があるといいですね」と笑顔を見せた。
 客だけでなくバスの運転手、ガイドの休憩室も広く取り、地元では、法事などで名物ジュースを提供するなど、長年支えてくれている人たちへの感謝を忘れない。

 海を見渡す高台にあり、半世紀を過ぎた今も、旅人たちを見守る伊豆オレンヂセンター。謙虚に、そして温かい思いが店内にあふれ、全国の“おなじみさん”が通う理由を肌で感じた。(T)

◆静岡県河津町見高1266−31
◆電話番号/0558−32−1134
◆営業時間/売店:午前9時~午後5時、食事処:午前10時~午後4時
◆定休日/不定休