「貝掛温泉」の内湯。手前が源泉浴槽、奥が加温浴槽

 新潟・奥湯沢の山奥に1869(明治2)年に建てられた、木造2階建て庄屋造りの和風旅館「貝掛温泉」。周りにはあふれる自然以外何も無い。歌手の安室奈美恵さんや、米国のロックバンド「レッド・ホット・チリ・ペッパーズ」のボーカリスト、アンソニー・キーディスさん、アイスランドのシンガー・ソングライター、ビョークさんらも滞在したことがある。春は桜、夏は緑、秋は紅葉、冬は雪景色と四季折々の景色を楽しめる名宿だ。

 開湯は約700年前の鎌倉時代とされ、戦国時代には上杉謙信が兵の英気を養ったと伝えられている。わずかに青みがかった透明の湯は、江戸時代から“目の温泉”として知られ、今もその効能を期待して訪れる客が多いという。余分な皮脂や角質を落としてくれ、保湿効果を期待できる美肌温泉でもある。

 豊富な湯量と約37度という泉温から、内湯、露天風呂ともに源泉に全く手を加えない100%源泉かけ流しの大きな浴槽がある。ほど良くぬるく、しばらくすると不思議なことに体がポカポカしてくる。長くつかっていられるのがうれしい。41度前後の加温浴槽もある。午前10時半~午後2時は立ち寄り湯も可能だ。

 昔ながらの田舎の日本家屋といった風情たっぷりの内装。玄関先のいろりには、夕食近くの時間になると、川魚がずらりと焼かれ、その光景にも心躍る。同温泉の名物、薬膳玄米かゆのほか、越後もちぶたやマコモダケなど、新潟そして山ならではの旬の食材が取りそろえられている。南魚沼の中でも特に評価の高い塩沢産のコシヒカリが食べられる。女将(おかみ)が英語堪能のため外国人客も多い。

 アクセスは、東京から新幹線で越後湯沢まで約1時間20分の後、バスでバス停「貝掛温泉」まで20分。同バス停からは徒歩約10分だが、街灯の無い山道のため、特に夜や雪深い冬は送迎を頼もう。送迎は要予約。

<プロフィル>

 朝香。美肌温泉家。慶応大卒。温泉ソムリエアンバサダーなど数々の温泉の資格を持つ。大学時代に日本中世史を専攻、さまざまな地域の歴史について学ぶ。モデルとして活動する一方、温泉の魅力やその効能を引き出す入浴法を広めようと活動している。

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