発掘調査の成果について報告する池谷さん=伊豆の国市の韮山時代劇場

 ■池谷さん価値語る 

 伊豆の国市教育委員会は18日、韮山時代劇場で北条氏邸跡(円成寺跡)国指定史跡20周年記念の文化財講演会を開いた。市教委の池谷初恵さんが1998~2009年に行われた発掘調査の成果を報告。「北条氏の出発点と菩提(ぼだい)寺が重なった、価値のある史跡」と話した。

 寺家にある同史跡は12世紀中ごろから後半にかけて北条氏の館として始まり、1333年に菩提寺として円成寺が開かれた。1996年に国指定史跡となっている。

 池谷さんは館のころだった出土品について、9割がかわらけ(素焼きの皿)だったと説明。ろくろと手びねりで作った2種類があったとし、「当時は手びねりの方が格が高かった。ある程度由緒のある御家人の史跡でしか出ない」と価値を語った。中国産の陶磁器、愛知県のつぼなどもあったことから、「立地が素晴らしく、流通の拠点となっていた」と北条氏の経済力の背景を解説した。

 家永遵嗣・学習院大教授が同史跡を文献からひもといたほか、池谷さんと萩原三雄・帝京大文化財研究所長を交えてパネルディスカッションを実施。約170人の聴講者が熱心に耳を傾けた。

 【写説】発掘調査の成果について報告する池谷さん=伊豆の国市の韮山時代劇場