■遺伝子が正中線入り防ぐ

 三島市の国立遺伝学研究所の岩里琢治教授(53)と香取将太研究員(37)らの研究チームは27日までに、脊髄の正中線にある関所に注目し、マウスを用いた実験で神経の“関所”を守る仕組みを初めて明らかにした。

 胎児や子どもの脳、脊髄は正中線にある関所で、正中線を通過して左右交差する神経を適切に選別し左右の神経の混線を防いでいる。この関所を守る仕組みにαキメリンと呼ばれる遺伝子が、周辺細胞の正中線に侵入して関所を壊すのを防ぐ役割を持っていることを明らかにした。26日に北米神経科学学会誌に掲載された。

 研究チームはすでに左右の足をそろえて歩く突然変異のマウスを発見し、αキメリン遺伝子が破壊されたことが原因と突き止めていた。今回、αキメリン遺伝子の働きを詳細に研究した結果、混線を防ぐ神経の関所を守る仕組みが存在することを発見した。同研究所は「発達期に神経が選択的につながる仕組みの理解が進むことが期待される」と話している。