発掘調査の成果に耳を傾ける市民ら=伊豆の国市寺家の北条氏邸跡(円成寺跡、市教委提供)

 ■発掘調査現地説明会に50人 整然と並ぶ六方石も

 伊豆の国市教育委員会が整備を目的に発掘調査をしている国史跡「北条氏邸跡(円成寺跡)」(同市寺家)で本年度、五輪塔がまとまって出土した。この史跡では初めての事例という。また、伊豆地域産出の六方石が区画のように並べられているのを確認した。このほど現地説明会を開き、市民ら約50人に新たな発見を解説した。

 同史跡は、守山の麓に位置し、鎌倉時代の北条氏館跡と、南北朝~室町時代の円成寺跡から成る。同寺は北条氏の菩提(ぼだい)を弔うために建立された。1996年に国史跡に指定され、98~2009年度の発掘調査で、円成寺のお堂と考えられる礎石建物跡と池跡を発見した。

 17年度は礎石建物跡と池跡が同時期にあったかなどを探るために、約320平方メートルを調査した。池跡は全形のうち東部分を調べ、出土遺物から池の形や15世紀代と思われることが分かった。

 五輪塔は空・風輪1基、地輪2基、水輪1基が、調査区の南東の土坑から出土した。意図的に埋納したと考えられるという。形から15世紀代とみられ、台座にあたる地輪が2基あることから、最低二つあった可能性が出てきた。四角柱状に割れる六方石は、池跡の南側に南北、東西軸の2辺に整然と並んでいるのを確認した。池跡、礎石建物跡などを意識して配した構造物とみられる。

 池跡が造られた段階で土杭や区画などがなされ、さらに六方石の区画ラインと礎石建物の主軸ラインが類似していることから、礎石建物もこの段階に構築されたと考えられるという。

 同寺を庇護(ひご)した山内上杉氏の段階にあたり、これまでの成果を踏まえると、円成寺の最盛期段階とみられる。

 18年度は池跡全形の西部分の発掘調査を予定。市教委は「次年度の調査と併せると、円成寺の様子がより明らかになると考えている」と話している。

 【写説】発掘調査の成果に耳を傾ける市民ら=伊豆の国市寺家の北条氏邸跡(円成寺跡、市教委提供)

 【写説】土坑からまとまって出土した五輪塔(市教委提供)